「あれ?」

チョッパーの荷物の中に入っていた白い上着を見つけたが、側でお薬を作っていたチョッパーに尋ねる。

「チョッパー、これなぁに?」

「あぁ、それはドクターの白衣だ。」

「白衣ってお医者様が着るヤツ?」

「うん。おれには大きいから置いてあったんだ。」

「ふ〜ん・・・」

暫く白衣を見つめていたが、ふとある事を思いつきチョッパーに尋ねる。

「ねぇ、チョッパー。これ借りてもいい?」

「・・・うん?でもどうするんだ?」

「着て貰いたい人がいるの!」

そう言って部屋を出たは、鼻歌を歌いながらキッチンへ向かった。

「サンジさん!」

ちゃ〜ん
wwwどうしたんだい?飲み物かなぁ?オヤツかなぁ〜?」

乾いた皿を棚に戻していたサンジが、いつものように目をハートに変えての声に反応する。
いつもながら女性に・・・いや、に対する反応が早い。

「あのね。ちょっといい?」

「勿論!ちゃんのお願いなら、何を置いても最優先するさ〜♪」

言葉通り片付け途中の皿を机に置き、クルクル回りながらの前にサンジがやって来ると、まるでダンスを申し込むかのようにの前に手を差し出した。

「ご用件は何ですか、レディ?」

その仕草に一瞬見惚れただが、すぐに目的を思い出し背中に隠していた白衣をサンジの前に差し出した。

「これ、着て見せて!!」

「・・・これって、白衣?」

差し出された物を見て一瞬口にくわえた煙草が落ちかけたが、すぐにそれを指に持ち直しテーブルの上の灰皿に置く。

「うん!チョッパーが持っててね。何となくサンジさんに似合う気がしたから借りてきたの。」

「ははっ、そりゃ光栄だな。似合うかどうかは分かんねぇけど着てみますか。」

「うん!!」

小さな可愛いレディの望みを叶えるべく、サンジは身につけていたエプロンを外し、の持っていた白衣に袖を通した。

「・・・っと、こんな感じですが如何ですか?」

「うわぁ〜・・・凄い!サンジさんお医者さんみたいだよ!!」

「じゃぁついでにメガネとかかけてみようか?」

たまたまキッチンに置いていた伊達メガネをかけて振り向くと、が更に興奮気味に両手を叩いて拍手した。

「サンジさん、カッコイイ!!」

「そう言われると照れるなぁ〜♪」

に正面から褒められる事に気分を良くしたサンジは、調子に乗ってと視線を合わせるとその手を取って脈を計り始めた。



――― そう、まるでいつもチョッパーがしているかのように



ちゃん、少し脈が早いんじゃない?」

「・・・え、えっと。ここに来るのに走ったから?」

「あんまり慌てると、また転んじゃうから気をつけようね。」

「はーい。」

サンジが何をしようとしているのか気づいたは、診察を受けに来た患者のように素直にサンジの言葉に頷く。
続いてサンジがじっとの目を見つめ始めた。
きょとんとしていただが、サンジの瞳がまっすぐ自分を見ている事が恥ずかしく感じられ、次第に頬が赤く染まっていく。

「・・・熱、かな?」

「・・・そ、そう・・・かもしれま・・・せん。」

「お熱、測ろうか?」

僅かに口元を緩めたサンジが、の前髪をそっとかきあげて自分と額を会わせようとした瞬間・・・大きな音を立ててキッチンの扉が開いた。

「何してるのよっ!こっのエロヤブ医者っ!!

「ナミ!?」
「ナミさんっっ!?」


の頬をサンジが包んだままの体勢で振り向いた事が、更にナミの逆鱗に触れた・・・らしい。
あっという間にを自らの腕の中に取り込むと、側にいたサンジを瞬時に蹴り飛ばして親指を下に向けてこう言った。

「エロ医者・・・いいえ、エロコックに可愛いは渡さないわ。」

ナ、ナミさ・・・

「これから私達の半径1メートル以内近づかない事、
いいわね。

「ナミ、サンジさんは・・・」

何とかフォローしようとナミに声をかけるが、最愛のの声も今のナミには届かないらしい。

「まさか言う事聞けないなんて言わないわよね?センセ?

・・・ハイ、モウシワケアリマセン。

宜しい!さぁ〜て、。私達は夕食の超豪華スペシャルディナーまで、部屋でゆっくりしましょうね♪」

「う・・・うん。」

「ん〜、いいお返事
・・・それじゃぁサンジくん、夕食ヨロシクね?」

勿論です!最高の材料でナミさん達の為に
・・・」



バタン



サンジの口上を聞く事もなく、キッチンの扉は閉められた。
その上、何故かナミに命じられたウソップがキッチンのドアに外から軽くバリケードを築かされたのは言うまでもない。

無論、夕飯が出来た頃、キッチンの内側から素敵な蹴りでウソップのバリケードは破られる事となる。





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白衣
いやぁ、久し振りのワンピースですよ!!
皆さん覚えてますかね、ワンピースの設定?
ちなみに私は微妙に忘れかけてました(笑)
サンジが白衣を着たら、絶対にお医者さんごっこする気がしたんですよねぇ・・・だから思うがままにやってみたんですが、ナミが出てきちゃいました(笑)
あはははは〜サンジ可哀相!!
だってヒロインに言われて着ただけなのにっ、寧ろ悪いのはヒロインなのにっ(笑)
でもそれがサンジらしい所なのよね♪
ちなみに夕食は女部屋への出前で超美味フルコースがご用意される予定です。
野郎共は女性陣の為に作ったフルコースの余りで作った賄い風夕飯です(それでもきっとサンジのご飯だから美味しいはず)


お題作成者:美姫さんへ
確かこのお題は、美姫さんがお庭で白衣を着てた時に出来たやつでしたっけ?
一応内容に白衣は出てきていますが、あんまり出番ないですよね(苦笑)
でも一応サンジに着せましたし(オプションで伊達メガネとかついてますが)お医者さんごっこもしてるから・・・いい?(笑)
久し振りのワンピースだったので、キャラが微妙ですみません(汗)