「こんなに白いのに・・・」
「えぇ、僕は綺麗好きなウサギですから。」
「どうして・・・」
「やっぱり入浴剤はシャボンの香りが一番ですね〜♪」
「・・・こんなに」
「乳白色じゃなければもっと眺めがいいの・・・ごぼごぼっっ」
―――腹黒いっ!!
通りかかった瞬間、まるで狙ったかのようなタイミングでアイスティーを頭からぶっ掛けられた。
「すいません!大丈夫ですか!?」
珍しく慌てた様子のペーターが可愛くて、怪我もないし、すぐシャワーを浴びるから・・・と安心させようと仏心を出したのがまずかった。
「シャワーじゃ駄目です!すぐにお風呂の用意をしますからっ!!」
そうして連れて来られたペーターの部屋には、既にお湯がはられていて入浴剤まで投入されていて、ご丁寧に二人分のタオルやら着替えやらも用意されていた。
「さ、汚れた服なんて脱いで脱いで♪二人で綺麗になりましょう。」
――― 確信犯!?
「げほっ、ひっ、酷いですよ、っ!ウサギ鍋でも作るつもりですか?!」
苛立たしげに頭を湯につけたのに、全然堪えていない。
いっそメイドさんにお願いしてでかい鍋にお湯でも沸かして貰おうかと思ったけど、メイドさんの命の方が危ないので・・・止めた。
「こんな温いお湯じゃ煮えないでしょ!」
「あぁ、でもそんな大胆なあなたも・・・好きですよ。」
「何が大胆!?」
「だって、僕を食べたいくらい愛してくれているんでしょう?」
「・・・」
「すぐに綺麗に身体を洗って、食べさせてあげますからね。」
・・・真っ白なのに、腹の中はどこまでも真っ黒。
それがあたしの好きな、ペーター=ホワイトという男・・・らしい。
「乳白色ってのもたまには・・・」
「どさくさに紛れて触るなっ!!」
「ぐはっ・・・い、いいパンチです・・・。」
・・・多分、好きなんだと思う。
耳は白くて、腹の中は真っ黒。
それが、今、私の気になる白ウサギ(外見)です。
入浴剤、最初は薔薇にしようとしたんだけど、そうするとビバルディをペーターが思い出して眉間に皺を寄せそうなのでやめました。
果物系とかにしようとも思いましたが、ヤツなら調子に乗って風呂場で食べそうなので(何とか聞かないように)やめました。
そして、清潔感溢れるイメージって事でシャボンの香りにしてみました。
今回お題に連続性は皆無です。
ただ、ウサギさんをいっぱい書きたかっただけ。
ある意味三月ウサギってコイツのことじゃないかって思うけど、違うんだよねぇ・・・←狂ってるといいたい。