「どうした?」
「あ、いえ・・・なんでも、ありません。」
「そうか。」
そして訪れる沈黙。
さっきからずっとこんな事の繰り返し。
何か話したいのに、何を話せばいいか分からない。
これが将臣先輩や譲くんだったら、他愛無い話をする事が出来る。
ヒノエや弁慶だったら、多分、二人の方から話題をふってくれるだろう。
景時さんや九郎さん、敦盛さんの場合は、こっちの生活について色々な事を質問したりする事が多い。
望美先輩や朔だったら、沈黙なんて絶対なさそう。
だけど、先生といる時は・・・互いの声よりも、虫達や風の音が聞こえる時の方が多い。
先生は、どう思っているんだろう。
あたしが眠れない時、こうして先生の側にいる事を。
少しは気にかけてくれてるのだろうか?
それとも、邪魔だと思っているのだろうか?
そんな事を考えながら膝を抱え、眉間に皺を寄せていると、ふと頭から肩にかけて布のような物がかけられた。
「?」
「・・・夜は冷える。」
「あ、ありがとうございます。」
先生がマントを広げて、それをあたしにかけてくれた事に気付き礼を言い、ほんの少しだけ先生の方へ体を寄せる。
――― 温かい・・・
こんな風に優しくしてくれるなら、少しは・・・期待してもいいのかな。
そんな事を思っているあたしの耳に届いたのは、思いがけない先生の言葉。
「お前が望むなら、私の元へ来ても構わない。だが、そのような薄着でくるのは止めなさい。」
「先生・・・」
「眠れずとも目を閉じて、体を横たえるだけでも疲れは取れる。少しでも休みなさい。明日もまた忙しい。」
「・・・はい。」
そう言うと再び先生は口を閉ざし、辺りに聞こえるのは虫達の声と、風の吹く音だけになった。
でも今度は、体に冷たい風が当たる事はない。
温もりを感じながら、ゆっくり目を閉じて先生の鼓動に耳を傾ける。
――― 先生の守備範囲って、何歳までなのかな?
決して聞く事は出来ない質問。
そして、答えを聞いて自分が範疇外だとしても、この想いを消す事は出来ない。
年の差なんて、大した問題じゃない。
■切な甘い10のお題■年齢差も気にせず。
年齢差・・・と聞いて、今一番脳裏に浮かぶのは先生です。
ちなみに最後の呟きは私の本音だったりもします。
年齢差なんて大した問題じゃないさっ!上だろうが下だろうがっ!!
特にゲームの中じゃねっ!!(笑)←半ば自暴自棄とも言える発言(苦笑)