「うぅ〜〜・・・無理、かなぁ。」
最近、どうしても見てみたいものがあって、それをどうすれば見られるか手段を考えてみた。
でも相手が相手なので、多少の事じゃいつものように笑われて終わるだけ。
「でもでも、どうしても見たいんだもんっ!!」
「おや?珍しい事があるものだね。」
拳を握り締めて声を上げた瞬間、あの人の声が背後から聞こえて動きが止まる。
ど、どうしてこうタイミングの悪い時に来るかな。
「姫君がそこまで熱望されるものは何かな?」
「あ、あの・・・その・・・内緒です。」
最後の声が消え入りそうになってるのは、徐々に近づいてくる友雅さんの声の所為。
「そんな風に恥らわれると・・・気になるね。」
うわぁっ!お願いだからそんな風に低い声で囁かないでぇ〜っ!!
内心焦ってるのに、気付いた時には耳元に彼の声が落とされる。
「教えてくれまいか・・・姫君。」
膝に力が無くなり、危うく倒れそうになった体を友雅さんに支えられて、チラリと視線を彼に向ける。
言えるわけ・・・ない。
あたしが今一番望んでいるのは、私だけに・・・
――― わらいかけて
■して欲しい10のお題■わらいかけて
欲しいっ!私だけに微笑んでくれる友雅さんっ!!
でもそれ本人に言うのって・・・かーなーり難しい。
だって他の花達(お姫様達)と一緒じゃ嫌なんです。
自分、だけ、に特別な微笑が欲しいんですよーっ!