「あのなぁ、あんなトコ1人で歩いたらヤバイって分かんなかったのか?」

「・・・ごめんなさい。」

「今回はたまたまオレが通りがかったからラッキーだったけど、次もこう上手くいくとは限らないぜ?」

「・・・はい。」

「ったく。」

将臣先輩が前髪をかきあげながら大きくため息をついた。

「望美と譲にひと声かけるコトも出来たろ?」

「・・・忙し、
そうだったから。

ばーか、それでお前が不良共に絡まれてちゃ意味ねぇだろ。」

将臣先輩の拳が振り上げられたのを見て、反射的に目を閉じる。

「・・・っと。」

頭に降りてくるだろうと思った衝撃は、頬に軽く添えられた手の温もりに変わった。

「ダチが声かけてくれない方が寂しいと思うぜ。」

「先輩・・・」

「ま、あれだ。アイツラが忙しいなら俺に声かけな。何処行くか知んねぇけど、付き合ってやるよ。」

「・・・はい。」

「ってトコで説教終了。ったく、こーいうメンドーなのは譲の役目だってのにな。」

大きく伸びをして帰ろうとする先輩の服の裾を掴む。

「あ、あのっ!

「あぁ?」

「・・・ヘンな事、言ってもいいですか?」

「何だ?」

「また、あたしが馬鹿な事しないように・・・その・・・」





――― たたいて





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■して欲しい10のお題■たたいて
これも説明がないと意味不明な小話でございます(苦笑)
つまり、自分がまた1人で馬鹿な事しないように将臣にペチッと叩いて貰って覚えようとしてるみたい・・・って有り得ねぇっ!
でも将臣はコツンって叩いて「今度はちゃーんと、声かけろよ?」って言ってくれそう♪