「・・・え?」

「・・・たまには、譲くんからがいいな。」

帰り道、誰もいない校舎の廊下で譲くんに背を向けながらそう呟いた。

「ここで・・・ですか?」

「・・・うん、って言ったらどうする?」

いつも何か行動を起こすのはあたしからで、譲くんはいつもそれに付き合ってくれる。
それが彼の優しさだってわかってるんだけど、たまには・・・譲くんから行動を起こして欲しいって思うのは我侭かな?
少し後ろから小さなため息が聞こえた瞬間、言わなければ良かったって後悔した。
でも言ってしまった言葉を取り消す事は出来ない。

「まったく、仕方の無い人だな。」

「・・・ごめんなさい。」

「いいえ、俺はそんな貴女も・・・好きですから。」

いつの間に近づいていたのか、そう囁かれたのは背後から抱きしめられた耳元だった。

「本当に・・・いいんですか?」

「・・・うん。」

背後から抱きしめられたまま、ゆっくり瞳を閉じて囁くように呟く。





――― 
あなたから、して





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■して欲しい10のお題■あなたから、して
何故かお題を見た瞬間譲くんが出てきました。
これは多分遙か3ボイスカード@を聞いて「もう少し頑張って!」と思ったからでしょう(笑)
そのおかげか?ボイスカードAでの彼はちょっと頑張ってくれました(笑)