「あ〜…」

「どう?痛くない?」

「あぁ…」

今日は金やんの誕生日。
ってことで、こんな誕生日プレゼントをご用意。

「お湯は?」

「ちょうどいいぞ…」

「それならよかった」

普段は触れる事がない…金やんの髪の毛。
お湯が顔にかからないよう、手を添えながらそっと泡を流していく。

「意外…金やん、髪柔らかいねぇ」

「そうか?」

「うん。もっとばさばさかと思ってた」

「おいおい」

「冗談」

くすくす笑いながら、もう一度手にシャンプーをつけて泡立てる。

「かゆいとことかない?」

「なんだ、。随分丁寧だな」

「誕生日だし」

「ははっ…そういえば、そうだったか」

「プレゼントだって言ったじゃん」

しゃかしゃかと髪を洗いながらそういえば、目を閉じていた金やんの瞳がゆっくり開いた。
泡が入るとまずいと思い、慌てて目を閉じるよう言う。

「わっ、ダメだよ金やん!シャンプー入っちゃうから!」

「…ありがとさん」

「ほぇ?」

「いや………なんとなく、今…言いたかったんだ」

そういうと、静かに金やんは静かに目を閉じた。
その表情はさっきまでと違って、少しだけ口元が緩んでいる…ようにも見える。
二度目のシャンプーを終え、洗い流しながら…もう一度、今日何度目かの祝いの言葉を告げる。

「…お誕生日おめでとう」





――― アナタが生まれた今日に、めいっぱいの感謝をこめて…





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★ Happy Birthday ★

金澤紘人

日記で書いた金やんお誕生日話を、ちょいと手を加えてみました。
いや、本当は学校って言うか、教師と生徒ってんならこんなん出来ないんですけどね。

誕生日だから許せっ!!!(笑)

…という暴挙に出てみました。
いや、ほら…なんか…無防備なとことか見るって特別な感じしない?
だから、髪を洗うってことをプレゼントに選んでみました!!