「さぁ!今日はひなまつりだよ!無礼講だよ!!」
「…さっぱ意味わかんないよ、天羽ちゃん」
「まぁまぁ、ちゃん。甘酒でも一杯!」
「…さらに意味不明だよ、天羽ちゃん」
「いや、まぁ、普段は男達に囲まれてばっかじゃないですか。たまにはこうして女の子だけで話すのもいいかなぁ〜って ――― 神の声が」
それが夢小説サイトというものです(By神と書いて管理人)
「…あぁ、なるほど…っていうか、そんだけで!?」
「まー細かいこと気にしない気にしない」
「ずずず〜…甘酒、美味しいねぇ」
「はい、先輩…美味しいです」
目の前に広げられたひなまつりのために用意されたお菓子をつまみながら、少し寒そうな外へ視線を向ける。
「…寒そう」
「今日は雪が降るって、天気予報で言っていました」
「ラッキーだったよねぇ、私たちが帰る時はまだ晴れていて」
「はい」
今にも雨が降りそうな空を見て、ふとある人を思いだす。
――― …傘持ってるのかなぁ
「ねぇねぇちゃん!」
「うわっ」
突然天羽ちゃんに背後から抱きつかれて、ぼんやりしていたあたしは危うく甘酒を零すところだった。
「あ、あぶ…危ないって!」
「ごっめ〜ん、いや〜聞いてみたいことがあってさぁ」
「なに?」
「金やんのこと、ズバリどう思ってるの?」
「好きだけど?」
あっさりそう答えれば、何故か部屋の中が一瞬し〜〜ん…となった気がした。
あえて気にせず残っていた甘酒を飲み干して、天羽ちゃんが口を開くのを待ったけれど…固まったまま、動きそうにない。
「…天羽ちゃ〜ん?」
名前を呼びながら、彼女の顔の前で手をひらひら振ってみる。
すると、はっ!と我に返ったように額の汗を拭う仕草を見せる。
「あまりにあっさり言われて止まっちゃったよ…」
「だって本当のことだし?」
再びさらりと言えば、何故か冬海ちゃんが尊敬の眼差しでこっちを見ている。
「その勢いがあれば、何も怖いものないと思うのにねぇ…」
「?」
背中から下りて、棚から何かを持ってきた天羽ちゃん。
「ちゃん、ほら」
「っ!!」
見せられた写真を見て、一気に顔が赤くなる。
さっきまで、なんともないって顔してたのに…今じゃ写真を指差したまま固まってる。
「やー…ほんっと、恋する乙女ってのはちゃんのためにある言葉だね」
「…はい。先輩可愛いです」
「天羽ちゃんっ、こ、これ欲しいーっ!」
「一枚300円」
「買ったー!!」
「…いやいや、あんたも加地くんに負けず劣らずの優良顧客だよ」
天羽ちゃんが持っていた写真は、髪をおろしている金やんの写真。
なんでこんな格好してるのか
誰と一緒なのか…
そんなのは、とりあえずどうでもいい。
ただ、見たことのない金やんの格好や表情に…我を忘れただけ。
その頃、理事長室で山と詰まれた書類に目を通していた、とある大人二人。
「ぶわっくしゅん!!」
「風邪ですか、金澤さん」
「あー…そーかもしれんな。誰かさんに連日こき使われて疲労が溜まってんだろ」
「日頃の不摂生です」
「…あのな、あからさまにマスクを取り出すのは止めろ。吉羅」
「今うつされては、業務に支障をきたしますから」
「へーへー…」
わざとらしくでかい音で鼻をかみ、ゴミを放り投げるついでに窓の外へ視線を向ける。
「…雪、か」
――― あいつ、はしゃいで傘も差さずに帰ったりしなかったろうな…
「金澤さん、手を休めている暇はありませんよ」
「わーったっての。ったく、人使いの荒い理事長さまだことで」
「…査定に、どんな報告をつけて欲しいですか?」
「脅しかよ」
「いいえ、事実です。貴方のボーナスの額は私のひと言で幾分か変わりますよ」
「それを脅しっていうんだ」
大きく腕を伸ばし、凝り固まった筋肉を解してから書類の前に戻る。
これらを片付けちまえば…少しは、時間が作れるだろう。
誰のため…って、わけでもないが、な。
日記の小話に色というか、追記してみました。
これはあれですよ…PSPのコルダ2f特典、歌の歌曲アルバムの金やんに狂った時に書きました(笑)
今でもあのイラストは両手を合わせてごちそうさまな感じです。
それと雨に塗れてるメガネ金やんとBBBの金やんがベスト3って感じですね(うっとり)←聞いてない
話はずれたけども、多分、金やんの写真を天羽ちゃんが撮ってくれてれば、加地くんが来るまでは私が彼女のNO.1優良顧客だったと思われます。