「うわぁ・・・」
「いやぁこれは見事ですね。」
天気予報は90%の確率で曇りのち雨だと言っていました。
だから僕も天候が悪かった場合、笹飾りをどうしようかと色々考えていたんですが・・・杞憂でしたね。
7/7 今日の天気は ――― 晴れ
「すっごい晴天だね!」
「の日頃の行いの賜物でしょう。」
「八戒達の行いがいいからでしょ?やっぱり!」
庭先で青空を背景に揺れている笹を眺めながら、は笑顔で言ってくれましたけど・・・やっぱり今日の天気は貴女の行いのおかげですよ。
罪深い僕では、晴天どころか全く逆の嵐になりかねません。
僕が知る限りの色紙を使った飾りを作って見せれば、悟空以上にその瞳を輝かせて僕の手元を見てくれてましたね。
貴女がそんな表情を見せてくれたから・・・子供塾での記憶も、痛みにはならなかったんです。
だって、僕が作った飾りは・・・子供塾で作るために前もって調べていた物だったんですから。
――― あんな事に、なる前の話ですけどね。
「八戒、あそこの短冊落ちちゃわないかな?」
「・・・え?」
昔の記憶に引きずられている僕の耳に、の優しい声が届いた。
「ほら、あそこの黄色いの・・・悟空の短冊だよね?」
「そうですね。」
悟空が自分で結ぶ、と言ってつけたんですけど・・・やっぱりちょっと緩かったみたいですね。
「ね、結びなおしてあげていいかな?」
「いいとも思いますよ。じゃぁ僕が枝を持ってますね。」
昨日誰かさんがやっていたのと同じように笹の枝をの背の届く所までしならせると、が短冊に手を伸ばしてそれを一旦解いて、もう一度結びなおした。
「これでどうかな?」
「上出来です。」
様子を伺うように首を傾げた彼女が安心するよう、笑みを浮かべて頷く。
その時悟空の願いが神様に通じたのか、風のイタズラか分かりませんが・・・短冊がクルリと向きを変え、僕らの目に一生懸命思いを込めて書いた悟空の文字が飛び込んできました。
「「・・・」」
――― みんなで うまいめし いっぱい くいたい
が何も言わず振り返って僕の顔を見つめる。
言葉はなくとも、彼女の言わんとしている事は・・・分かる。
僕は押さえていた枝をゆっくり離すと、その手をの方へ差し出した。
「折角の七夕です。美味しいご馳走をいっぱい作りましょうか。」
「うん!」
躊躇う事無く重ねられた彼女の手を取って悟空の願いを叶えるべく、今日のご馳走を作るための買い物に出掛けた。
きっと今晩は綺麗な天の川が見れるでしょうね。
その中で織姫と彦星は、一年ぶりの再会を果たす・・・んですよね。
彦星さん、申し訳ありませんが僕は一足先に織姫よりも、眩しいお姫様と出かけさせて貰います。
夜空を背に微笑むお姫様ではなく、太陽の下で僕の手を取って微笑んでくれる ―――
と一緒に・・・
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七夕晴れバージョンです。
途中から微妙に八戒が黒く・・・げほごほっ・・・いや、その・・・過去を振り返り始めてどうしよう!と思いましたが、強制的に現在に戻って貰いました。
悟空のお願いは神様と言うより八戒の手によって叶えられました(笑)
でも素直な彼は「すっげー!」と言って、来年も短冊に願い事を書く事でしょう。
って言うか、普段から短冊を持ち歩いて至る所に願い事をし始めそうですが・・・(苦笑)
眠れなくてゴロゴロしてた時に思いついた割には、面白い事になったなぁと思ってます。
さて、皆様の地域の七夕の天気は・・・如何でしたか?