さて、ようやく頭の切り替えが終わったあたしは前向きに現在の状況を考える事にした。
「皆が頑張ってるのにあたし一人がこんな所でしょんぼりしててもしょうがない!」
そうしてあたしが考えたのは至って簡単な方法。

ここで眠って現代に無理矢理戻る。

と言う事だった。
そうする事によってあたしの体は向こうに行くかもしれないし、もしかしたら体に戻れるかもしれない!
思ったら即実行!と考え、取り敢えず床に寝転がり目を閉じてみた。
鏡を背にすれば部屋は真っ暗で物音はしないから眠るには最適な状況・・・なはず・・・




















「・・・だー!!眠れない!!」

普段ならあっという間に何処でも眠れるはずが、今日は頭がさえて全然寝れない。

「えっと・・・えっと・・・こーゆー時は・・・そうだ!羊を数えよう!」

・・・安直な頭である。
でも何もしないよりはマシなので、もう一度寝転がり羊の数を数え始めた。

「羊が1匹羊が2匹・・・」

そう言えば何で羊の数を数えるんだろう?
他の動物でも良さそうなのに・・・

「羊が25匹、羊が26匹・・・」

羊って言うと北海道?
可愛いよなぁ白くてモコモコしてて・・・

「羊が35匹、羊が36匹・・・」

そう言えば羊のお肉でやるのは何だっけ?
あ、そうだジンギスカン!八戒達そういう食べ物知ってるかなぁ?

「羊が57匹・・・羊が・・・」

皆ご飯食べてるかな?
あたしここに来たら何だか全然お腹減らないんだけど、悟空とか大丈夫かなぁ?

「羊が・・・77匹・・・ひつ・・・」



あっやだ!どうしよう!!
頭の中に悟空が出てきて柵を飛び越える羊を追っかけてる!!

「・・・悟空が・・・じゃなくて・・・羊が・・・」

いや〜っっ!!
羊達が凄い勢いで柵飛び越えて悟空から逃げてる!
うわっ、悟空ってば両手にナイフとフォーク持って追いかけてる!!





「悟空が一人で羊がいっぱい・・・って全然寝れないってば!!」

あたしが眠るのはもしかしたら無理かもしれないと悟った一瞬だった。





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皆が真剣にヒロインの為に奔走してるのに・・・いいのかこれで!?
この話は真っ暗闇の中、三蔵と悟空に励まされた後どうするかなぁと考えていた時に浮かんだ話です。
羊が柵を越えていたら・・・悟空がそれを追いかけていてもおかしくないかなって(笑)
楽しみにしていたオマケがこんなのばっかりでゴメンなさい(苦笑)