「ほい、お待たせ。」

「ありがとう!」

悟浄からソフトクリームを受け取って、まずその大きさにビックリした。

「・・・何か普通より大きくない?」

「オネーチャンがサービスしてくれたからでない?」

その言葉を受け、チラリと視線を売店へ向ければ・・・あぁ、確かに売店のお姉さんが目をハートにしてこっちをずっと見てる。
目の前のお客さんが何か言ってるみたいだけど大丈夫なのかな。

「しっかしまだ夏でもねェのにアイスなんて寒くねェ?」

「えーだって今日日差し強いんだもん。」

手で日差しを遮りながら悟浄が買ってきてくれたアイスをひとくち舐める。



ん〜っ・・・冷たいけど美味しい!!
やっぱコーンアイスの場合、下がクッキーみたいなこれがいいんだよね。



満足げな顔をしてちびちびと食べていると、隣に座っていた悟浄がじぃ〜っとあたしの顔を眺めていた。

「?」

「ウマイ?」

「うん、美味しいよ。悟浄もひとくち食べる?」

そう言ってソフトクリームを悟浄の方へ差し出したけど、何処と無く不満そうな顔。

「あーん、とかやってくンねェの?」

「スプーンもないのにどうやれと!?」

「ンじゃ、口移しとかは?」

「そっ、そんな食べさせ方知りませんっ!!」

持っていたソフトクリームを悟浄に押し付けると、思わず背中を向けて真っ赤になった顔を手で仰ぐ。
もぉ、普通に外でアイス食べてるだけなのに何でこんなに動揺させられなきゃいけないの!?

けれど、あたしの動揺はこれだけじゃ終わらなかった。





ようやく落ち着いて悟浄の方を振り向いたあたしは・・・思わず動きを止めた。



ただ、さっきのあたしと同じようにソフトクリームを食べてるだけ。
周囲を見渡せば、同じように小さい子から大人まで皆同じようにアイスを舐めてるのに・・・どうして、どうして悟浄が食べてると妙にアダルトなの!?
格好の所為?それとも悟浄だから???



そんな風に見ているあたしの視線に気付いたのか、悟浄がソフトクリームを舐めながら視線だけあたしの方へ向けた。
その目が今までに見た事がないくらい扇情的で、自然と自分の体を何かから守るようにギュッと抱きしめた。



――― あたし、今・・・どんな顔してる!?



心を落ち着かせて、何とか声を絞り出して悟浄の名を呼ぶ。

「ご・・・悟浄・・・」

「ん〜?」

「何で悟浄がアイス食べる姿って、そんな・・・その・・・」

「・・・?」

口にしようとした言葉が
エッチくさい、とか、エロい、とか・・・どう考えてもからかわれそうな言葉しか思いつかず口篭る。
そんなあたしを見た悟浄の口元が意地悪そうに緩められたと思った瞬間、耳元に唇を近づけて甘い低音が囁かれた。

・・・エッチっぽい?

図星をつかれた瞬間、その場にいる事すら恥ずかしく思えて勢い良く立ち上がると、今の自分に一番危険と思われる悟浄から離れた。

「おいおい、チャン?」

「ご、悟浄の
エロ河童っ!!!

いつも聞きなれた言葉を悟空のように絶叫すると、踵を返して悟浄から離れる。

「オーイ、これどーすんだ?」

遠くから聞こえる悟浄の声も無視して、その場を逃げ出す。





・・・もぅ、もぅ絶対悟浄と外でソフトクリームなんて食べないもん!!!





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もともとは三周年記念のキャラ投票…に便乗して公開していた期間限定作品です。
もっといえば、ゼロサムの応募者全員サービスのテレカのイラストを元ネタに書いています(笑)
限定公開している時から、全員揃ったら通常公開に…と言っていましたが、最後まで全員揃わなかったのですが、出来ている分は通常に回そう!と決めたので持ってきました。
時が経ったのでテレカがない方は塩犬4巻のソフトクリームを食べている悟浄をみながら読んで頂くと、ドキドキ度合いが更に増すカモ?しれません。