「だからオバチャン!それじゃ無くって、こっちの・・・」
「はぁ・・・これですか?」
「じゃなくって、コノ『て、天使の告白』を1つ!!」
本日何度目かの叫び。
「へぇ・・・天使の涙ですね・・・」
「オバチャ〜ン・・・」
ガックリ頭を垂れてケーキのショーケースに崩れ落ちると、店内にいた他のおねぇちゃん達の笑い声が耳に届いた。
あー・・・ったく!何でオレこんな事してんだ!?
「・・・と言う訳で悟浄もへのお礼、考えてくださいね。」
「は?」
それはチャンからバレンタインのチョコレートを貰って数日たったある日の事。
八戒が朝食の席でチョコのお礼を3月14日にするのがお約束・・・と言う事をに聞いたと言うのだ。
自分は自分で考えるのでオレもキチンとお返しをしろ・・・と言う事らしい。
そりゃオレとしてもチャンの気持ちは嬉しいし、お礼するつもりはバリあったんだけど・・・。
オレ的お礼をしたら絶対アイツは・・・倒れるな。
オレ的お礼ってのは勿論、あーんな事や、そんな事・・・。
それを想像しただけで、単純明快なチャンが真っ赤になってその場に倒れる様子が目に浮かぶ。
しかもその後、最近やけにチャンに世話を焼いている八戒に睨まれる・・・否怒られるのも暗黙の了解。
仕方無しにオレは賭場にいた馴染みの女に聞いてみた。
ちょっとしたお返しに何がいいか・・・と。
「あのオンナ・・・オレになんか恨みでもあるのか!?」
教えられた店は・・・オレ的にはできればお近づきになりたくないよ〜な店。
いわゆる少女趣味全開のケーキ屋。
速攻踵を返して店から遠ざかろうとした時、チャンの顔がふっと頭によぎった。
甘い物を・・・ケーキを嬉しそうに食べる顔が・・・。
「・・・っ!」
オレは店内の人間が減った一瞬の隙をついてそのケーキ屋に足を踏み入れた。
そして・・・散々恥をかいた後、人気商品である『天使の告白』と言うとんでもないネーミングセンスのケーキを手にする事ができた。
「ぜ・・・ゼッテェもう、二度と!こんな事しねぇ!!」
そう胸に誓いながらも、誰かにこんなトコ(可愛らしいケーキ屋の袋を手に持っているトコ)を見られてたまるかと足早に家へ向かい周囲に気を配りながら家に入った。
「・・・悟浄お帰り〜」
「どあぁっ!」
何で!ココにチャンがいるっ!?
突然声を掛けられ慌ててケーキを後ろ手に隠す。
落ち着いて体勢を立て直している間もチャンが何か話していたが、八戒が台所に・・・と言う言葉だけが耳に残りオレはそのまま視線を台所へ向けた。
八戒の事だ、何か作ってんなら暫くこっちにゃこねェな・・・。
オレは手にしていた袋を傾けないよう気遣いながらチャンの目の前に置いた。
たかが物を渡すのにこんなに苦労するなんて、今まで一回も無かったのにナ。
ま、喜ぶ顔が見れりゃ・・・今はそれでジューブン。
次はどうだか・・・分かんねーけど?
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悟浄裏ホワイトデーでした!
悟浄だけは最初からケーキって決まってたんだけど・・・ケーキの名前が決まりませんでした(笑)
男性がケーキ屋さんに行って口にするのが恥ずかしい名前。
良くあるじゃないですか!名前からは全く想像できないケーキって!
森の贈り物とか天使の涙とか・・・ねぇ?
ケーキ屋で苦労する悟浄の姿を想像しながら書いてたら私も笑いが止まりませんでした(笑)
最後の一言は、これを書いていたら勝手に浮かんできたセリフですので本当に悟浄の気持ちかもしれないなぁ・・・。次はどうなるんでしょう!?
(最後の一言については全員に言える事なんですけどね。)
悟浄のヒロインを喜ばせようって気持ち・・・伝わるといいなぁ。