「あ、ちゃん、なに食べてるの?」
冷蔵庫で冷やしていたポッキーを、くわえた瞬間声をかけられた。
「あ、ポッキーだ。おいしそう!ねぇねぇ、オレにも頂戴」
口にくわえたままだったので、新くんにポッキーの箱を差し出せば、彼は頬を膨らませて首を振った。
「違う違う。僕が食べたいのはこっち」
言うが早いか、至近距離に彼の顔。
なんでこんな近くにあるんだろうなんて考えていると、その距離が、パリポリという軽い音と共に縮まってくる。
「………」
どうすればいいのかわからず固まっていると、鼻先が触れ合う直前…彼はポッキーを歯でかじった。
「っん、ごちそーさま」
「……ど、どういたし、まして」
「あれ〜?ちゃん、顔赤いよ?もしかして、ちゅーするかと思った?」
可愛らしく言っているけど、確かにあのままだったらキス、になっていたかもしれない。
そう思うと、さらに頬が熱くなる。
「あ、新くんっ!!」
「ごめんごめん。冗談だよ、冗談。驚かせてごめんね?」
今度はこっちの貰うね…といってから、今度は箱に入っていたポッキーを手で持つと、ぱりぽり食べ始めた。
「好きな子とのちゅーは、おふざけでするものじゃないもんね」
「……っ!?」
「だから、それはまた今度…ね?」
そういってウィンクをした彼の表情は、まるでいたずらを成功させた子供のようだった。
寝る前に思いついて、ポメラで打ち込んだ。
…ポルトガル語、入れるタイミングというか…なんか、上手く使えない。
2010/06/14