「…震えてる」

「あ、当たり前…」

優しく頭を撫でてくれるけど、金やんの表情は今まで見たことがない…男の人の顔、だ。
どこがどう違うとか、そんなのわかんないけど、でも…いつもとは違う。
それだけは、わかる。

「金やんは、緊張しないの?」

「しないな」

あっさり返されて、思わず目が点になってしまい、それを見た金やんが小さく吹き出す。

「まぁ、お前さんとは別の意味で緊張はしてるがな」

「別の意味?」

緊張に種類なんかあるのだろうかと小首を傾げれば、出来た空間にそっと金やんが顔を寄せた。

「ようやく、お前を俺の女に出来る……

「っ!!!」

耳元近くで聞こえた声に、鼓動が跳ねる。



金やんのこんな声、聞いたことない
こんな風に、熱い…声、で

――― 名前を呼ばれたことなんて、ない





知らないことばかりで驚いて、自然と身体が動いたのを見透かしていたかのように抱きしめられる。

「逃がしてやらねぇよ」

「に、逃げてないもんっ!」

「…我慢もいい加減限界だ」

抱きしめられたまま微かに髪を引っ張られ、強引に顔が上を向く。
微かに開いた唇が、空気を吸い込むよりも先に塞がれ、あとはそのまま溺れていった。





心だけでなく、カラダも繋がった"恋人"として最初の夜
そして"生徒"として…最後の夜





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金やんだって、我慢に我慢に我慢をしたらOK出た時にはプッツンすると思う。
…訂正、して欲しいという願望込めた。
2010/06/24