気になる…
何が気になるって、別に気にしなくてもいいんだろうけども…
後ろでビール飲んでくつろいでる人が気になるっ!!!
ってか、意識しすぎなんだってのは充分わかる!
でもさっ、でもっ、昼間が昼間だっただけに、背後注意しちゃうのってしょうがなくない?
「おーい、〜」
「はいっっっ!!!」
だから、声なんてかけられただけで、妙に背筋がピンッと伸びるのもしょうがないよねっ!
「なっ、何…?」
ドキドキしつつ振り向けば、楽しそうに笑いながら金やんがあたしの隣を指差した。
「鍋、噴いてるぞ」
「ふにゃーっっ、お味噌汁がーっっ!!」
味噌を入れる前だったので危機一髪ってとこだけど、もう少しでふきこぼれるとこだった…あ、危ない。
「ど、どうもありがとう」
「どういたしまして」
金やんに背を向け料理を再開すると、くっくっ…っていう堪えてるような笑い声が聞こえてくる。
昼は、なんとなく…ほんと、なんとなーくだけど…様子が違った、気がする。
何が…って言われても、さっぱわかんないけど、いつもとちょっと違った…気がする。
「…全部気がするなんだけどもさ」
玉ねぎを切りながら、ぼんやり思い返す…と、うっかり手を切りそうになるので、頭を振って思考を止める。
「ま、まぁ金やんが元気に笑ってるならいっか!」
「…」
「ふひょわぁっ!!」
背後から、しかも耳元で名前を呼ばれて思わず包丁を手放す。
玉ねぎをちょうどひとつ切り終えたとこで手が止まってて正解。
「今度はナニーーー!?」
「何って……焦げてるぞ」
「あああああっ、予熱してたグリルから煙がーっ!!」
「おいおい、大丈夫か」
誰のせいだっ!なんて言い返すつもりは…ない。
だって昼と、目が覚めた時と…そんで今じゃ、金やんの表情が全然違う。
今の方が、全然いい。
…なんとなく。
「やれやれ、手伝うか?」
「いいっ!大丈夫!座ってて、大人しくっ!!!ピクリとも動かずにっ!!」
「それじゃあビールも飲めんだろう」
「じゃあ、ソファーの上だけ自由に動いてていいから!!」
動く領域決めてやる!とか思って言ったんだけど、ソファーって単語に自分が思わず顔を赤くしてしまったのは…まずかった。
「…お前さん」
「う゛」
…楽しそうだ
すっごい、楽しそうだ
なんとなく、そんな気がする
そのまま、金やんの手が頬に伸びそうになった瞬間…余熱完了を告げる、グリルの音。
「お、お魚焼きます!」
「…あぁ、そうしてくれ。ビール、もう一本貰うぞ」
「どうぞーっ!!」
どきどき、どきどき…
高鳴る心臓、火照る頬…
うぅ…こんなんで、今日も一緒に寝れるのかな?
どーか、この心臓の音が金やんに聞こえませんようにっ!!!
昼間に何事かあって、そのせいで落ち着かないまま料理してる状態です。
金やんは大人で余裕があるので、落ち着かない相手が可愛くてしょうがないんです。
…わかっててやってるんです、この野郎♪←そんな金やん大好きな人
若干お題とずれてるかもしれないけど、意識しすぎってことで。
2010/09/28