「よぉ･･･ってすげぇ顔だな。」

「おはよう、天真くん。」

「何だよ。まだ凹んでんのか？」

「･･･」

「図星ってトコか。」

あかねちゃんの部屋に集ってしんと静まり返った中、緊張の面持ちでいたあたしに藤姫がひと言お願いしますって言った。
だから、皆にずっと言えなかった名前を･･･告げた。

「です！不束者ですが、宜しくお願いしますっ！」ってそりゃもう大きな声で。

そしたら皆が思い思いに･･･笑い出した。



―――　あー、今思い出しても恥ずかしい



それを思い出したのか、天真くんが吹き出した。

「･･･ぷっ」

「天真くん･･･」

「ワリィ」

「でもどうして最初に会った時に、名前知ってるって言ってくれなかったの？」

「知ってると思ったんだって、オレがお前の名前知ってるって事。」

確かに、考えてみたらあのしっかりした藤姫があたしの名前すら教えずに部屋に通すなんて事ありえないんだよね。良く考えれば分かる事。

「あぁー、あたしの馬鹿ぁ〜」

「そんくらい可愛いもんだろ。」

「天真くん？」

「オレだって今までケッコー馬鹿やってきてるけど、こうしてここで生活出来てる。それに比べりゃお前のあんな事くらいたいした事じゃねぇよ。」

「･･･」

「ケド、怨霊のコトに関してはしっかり頼むぜ。一応期待してんだからな。」





そう言いながらくしゃりと頭を撫でられて、年上の威厳も何もないなぁって思ったけど･･･それもいいかって思ってしまった現金な自分。

うん、これからよろしくね？天真くん。

BACK

すいません、話の流れは全部同じなんです（苦笑）
取り敢えず最後に皆に名前を呼んで貰うってのが目標でしたから･･･。
本当なら一本の話に全員登場させるつもりだったんだけどねぇ。

書きやすさから、二番目に書きあがりました！
天真くんは普通の男の子で、妹がいる所為か自然と優しくしてくれる･･･気がする？←何故疑問系！？
感情表現がストレートで、考えるより身体が先に動く感じ。
遙か１関連のゲームやCDが出ると、天真のストレートな愛の告白にどんどんよろめいてしまいます。
遠回しな言い方だったり雅な囁きも良いけれど、たまには「好きだ」とキッパリ言われたい時もあるんですっ！
そんな時にもってこいの殿方が、私的には天真です（笑）