「失礼するよ、姫君。」
「・・・お、おはようございます、友雅さん。」
「おやおや、憂い顔も美しいね。」
「これは憂い顔じゃなくて、ただの変な顔です。」
あかねちゃんの部屋に集って、緊張でガチガチに固まっていたあたしに、藤姫がひと言挨拶をお願いします・・・と言った。
だから、取り敢えず今までずっと言えなかった名前を告げる事にした。
「です!不束者ですが、宜しくお願いしますっ!」って大きな声で。
そしたら皆が思い思いに・・・笑い出した。
――― 今思い出しても恥ずかしい
「てっきり藤姫から伺っているものだと思ったのだよ。」
「友雅さん、ひと言も名前について言ってくれないから知らないんだと思って・・・」
「姫君に余計な心配をかけてしまったのかな?」
――― 言えない、名前を呼んで貰いたかった・・・だなんて!!
あぁでも、良く考えてみたらあのしっかりした藤姫があたしの名前すら教えずに部屋に通すなんて事ありえないんだよね。良く考えれば分かる事。
「あぁー、あたしの馬鹿ぁ〜」
「そんな事はないよ。」
「友雅さん?」
「あの出来事があったからこそ、私自らこうして君の元へ足を運んでいるのだからね。」
「?」
「・・・分からないかい?私は君に興味があるのだよ。」
「興味!?」
「神子殿のように幼く見えるけれど、時折見せる恥らう横顔や気遣いの中に大人の女性の表情が見える。そんな不思議な貴女に・・・惹かれているのかもしれないね。」
「・・・」
友雅さんにまっすぐ見つめられ、その瞳の深さにドキドキしているうちに、気づいたら手を取られていた。
「これからもよろしく願いたいね・・・殿。」
それはこっちの台詞です!と言いたい所を必死で堪えて、何とか首を前に倒す。
勿論お願いしたいんですが、その前にあたしが倒れないかどうかが心配だ。
でも・・・友雅さんの期待に応えられるよう頑張りますから、どうぞよろしくお願いします!
話の流れは他の人とほぼ同じですが、多少違います(苦笑)
何故?と言われたら・・・愛の差です(キッパリ)
多分これが一番皆さんの納得できる理由じゃないでしょうか。
という訳で、大好きな友雅さんが六番目です!!
彼に関しては・・・もう何もいう事はありません(笑)
あの声も、雰囲気も、所作も・・・とにかく全部好きです。
でもってこのうたた寝遙かで話を書いていて、一番心臓に悪い人です。
ヒロインが死なないよう適度に頑張りたいと思いますが、時々思いっきり口説いて欲しいと思うのは私だけでしょうか?