腕の中に愛しい女を抱え、周囲は暗闇、邪魔者はない。
普段であれば、そのまま身体を横たえてしまえばいいのに・・・今のオレにはそれが出来ない。
それだけ、が大切な姫君だって事を示している。
オレが今待っているのは、ただひと言。
姫君の口から出る、ある言葉だけ。
どれだけ時が経っただろう。
やがての肩が小さく揺れたかと思うと、その手がゆっくりオレの背中に回された。
「・・・」
「・・・え?」
それと同時に囁かれた言葉は、あまりにも儚げで・・・幼い頃から子守唄のように聞いている波の音すら邪魔に感じるほどだった。
「・・・?」
もう一度、ちゃんと聞こうと耳を姫君に近づけると、今度ははっきり・・・耳に届いた。
「・・・・・・」
「・・・ありが、とう。」
胸が締め付けられる。
姫君の想いが、オレの心に波紋を落とし・・・その波がオレの爪先から頭まで、喜びってヤツを伝えてくれる。
こんなに嬉しい想いを、今まで感じた事はあるだろうか。
「お前を、誰より幸せにするよ。」
少し掠れた声が情けないって思うけれど、それでもこれが今のオレの素直な気持ちだ。
ね、姫君
これからはもう、誰にも遠慮しないぜ?
だってお前も言ってくれただろう。
・・・オレの事が、好きだって。
想いを伝えて、そのお返事を貰った事・・・それがヒノにとって最高の気分なんです。
今まで女性関係で色々あるヒノエがこれで喜んじゃうのが可愛いな、と(笑)
すみません・・・ホントどの辺がオトナなヒノエなのか首傾げちゃいますよね?(汗)
返事が聞こえなくて、幼い頃子守唄のように聞いていた波の音すら邪魔に感じちゃう辺りが可愛くて可愛くてっ!!私的にはこんなヒノが好きなんですっ!!