「きゃははははっ・・・も、だめっ・・・こ、降参っ!」
「おかしいねぇ、姫君はくすぐったくないんだろう?」
「さ、さっきのは・・・嘘っ・・・!!」
「聞こえないね。」
聞こえているのに、わざと聞こえないフリをして姫君の脇をくすぐる。
「や、もぉ・・・あははははっ!」
「ほら、あんまり暴れると姫君の可憐な足が丸見えだよ?」
「だ、だって・・・あっあははははっ!」
本当に姫君は面白いぐらいのくすぐったがりなんだね。
執務の合間にが茶を運んできて、その時急にオレの背中を撫でた。
一体何の悪戯かと思い問えば、くすぐったくないか?と尋ねてきた。
「・・・別に。」
「じゃぁここは?」
そう言うと今度は遠慮がちにわき腹をつつく。
「・・・いや、全く。」
「凄い!ヒノエ、全然くすぐったくないの?」
「まぁね。」
「凄い・・・あたしは無理だなぁ。」
感心した瞬間洩れたの言葉をオレが聞き逃すはずはない。
面白い事を思いついて手に持っていた筆を置くと、笑顔でに問いかけた。
「姫君はどんな愛らしい声で鳴いてくれるのかな?」
そして、冒頭の状態となる。
「あははははっ、もぉだめぇ〜〜っ!」
涙を流しながらオレの衣を握り締めた姿を見て、動かしていた手を止めてやる。
「悪戯が過ぎたかな?」
「お、お腹痛い・・・」
肩で息をしながら床に倒れこんだ。
乱れた衣からは普段隠れている白い足や、襟元が見え隠れしている。
まいったね。
姫君をからかって遊んでいたつもりが、自らを追い込む事になるなんて・・・
苦笑しつつ、乱れた髪を整えているの腕をぐいっと掴んで抱き寄せた。
「うわっ!」
驚いて声をあげたを胸に抱きとめ、耳元にそっと声を落とす。
「ね、いい子だから少し静かにしていてくれるかい?」
擽ったそうに首を竦めながら、意味が分からないまま首を縦に動かす。
お前は何処までオレを信じてくれるんだろうね。
自然と口元が緩み、零れる声が明るいものになる。
「・・・じゃぁ今からオレの質問に答えてくれるかい?」
「う、うん。」
髪の隙間から見えるの表情は、先程まで笑っていた所為か普段より頬が高潮している。
ね、もっと赤く燃えるような表情を・・・見せてくれないかい?
さっきまで無遠慮に暴れさせていた手を、今度は姫君の身体に沿ってゆっくりと滑らせていく。
「あの・・・」
「しぃ〜・・・」
何をされているのかさっぱり分からない姫君の声を指先で封じ、もう一方の手を細い腰へと滑らせた。
一度は下に下ろした手を、今度は逆に腰から背筋に沿って滑らせて行くと、不意に姫君の体が小さく震えた。
「・・・っ!」
「どうしたんだい?」
「・・・な、なんでも・・・ない」
「そう」
何も気付かなかったフリをして、肩まで戻ってきた手で今度は首筋を軽く撫でてやる。
すると今度は押さえられなかったのか、驚くような声があがった。
「わ!」
「ん?」
「ヒノエ!何!?」
「何って?」
「さっきからあっちこっち触って・・・」
「あぁ、姫君は何処が一番感じるのかなぁと思ってね。」
「・・・え?」
意外な問いかけに、がオレの胸元から顔を上げた。
「さっきまで笑っていた時とは違う感覚になってるだろう?」
「・・・え、あの・・・」
まだ事の次第が飲み込めてないのか戸惑うの身体に、更に手を滑らせる。
すると、とある場所を掠めた瞬間、今まで聞いた事がないような愛らしい声が微かにオレの耳に届いた。
「・・・ぁ」
「ふふ、ここかな?」
「や、やだっ!ヒノエっ!!」
慣れない感覚が恐ろしいのか、急に暴れだしたの身体をしっかり抱きしめて、普段よりも低めの声を落とす。
「・・・ね、オレに教えて。どこが一番感じる?」
・・・わぁ〜い、ノーコメントにしたくなって来たぞ(笑)
実はこのお題で1回手が止まってました。
なんとなぁ〜くネタは頭に浮かんでたんだけど、書けなかったんですよ。
それでも1ヶ月近く書いては消して書いては消してを繰り返してたら・・・いけました。
あーなんとなくコレは大人っぽい、かなぁ?
ま、私が書くのなんてこの程度です(キッパリ)
じゃれつつ、それでも何かしでかそうとするヒノエが大好きです。