「ねぇ、私達が流された時・・・もうひとり女の子、いなかったっけ?」
譲の作った食事を食べながら、望美がふと思い出したように尋ねる。
「そうでしたか?」
「うん。確か譲くんの後ろにいたんだよ。」
「俺は気づきませんでしたけど?」
神子の話が気になって譲との会話に入ってきた白龍。
「神子、何の話?」
「うん、あのね・・・って、あはは白龍ってば口の周りに卵ついちゃってる!」
「え・・・ど、どこ?」
手の甲で口元を拭うが、スクランブルエッグとなった卵は中々取れない。
「ふふ、ほらこっち向いて白龍。」
見かねた朔が柔らかな布で白龍の口元についていた卵を拭ってやる。
「はい、取れたわ。」
「ありがとう、朔。」
「朔はいいお母さんになりそうだよね。」
「えーそうかなぁ?絶対口煩いと・・・」
「兄上、何か言いました?」
「あはは〜・・・何にも言ってないよ、俺は。」
「望美に変な事言わないで下さい。」
「あはははは!」
食卓を温かな笑みが包み、それが途切れると同時に望美が再び先程の話題を持ち出す。
「あの子・・・どこかで見た事がある気がするんだけど。」
「先輩の顔見知りの人ですか?」
「ん〜・・・多分。」
食事を終え、箸を置いた望美はデザートのプリンを食べようとしている白龍に尋ねた。
「ねぇ白龍。私達を見つけた時、他に女の子がいなかった?」
「神子は神子だけだったよ?」
「ん〜、そうじゃなくて、私と同じような格好をした子がいなかったかなって思って。」
暫く首をかしげていた白龍だが、やがて何か思い当たったのかまっすぐ神子の顔を見つめる。
「・・・譲の後ろに、いた。」
「「え?」」
「俺の、後ろに?」
「神子と同じ格好をして、朔と同じ髪の色。」
「・・・朔と同じ髪の色。」
「私が知っている女の子。」
そう呟き、望美と譲が同時に顔を見合わせた。
「まさか!!」
「そんな偶然あるわけありませんよ!」
「でも言われてみれば・・・あの子だよ!」
「神子、どうしたの?」
「何か困った事でも起きたのかい?」
「いえ、まだそれが事実かどうか分からないんですが・・・」
「もしかしたら私と譲くんと将臣くんの他に・・・もう1人、こっちに来ているかもしれない。」
「えー!?」
時空の波に飲まれてしまった少女は、望美達より1年早い時代に落とされていた。
そう、それは熊野で丁重にもてなされている・・・1人の少女。
はい、これで一応簡単な説明?が終わりです。
と言っても最初に書いてある事が話の中に盛り込まれているだけってカンジなんですけどね(苦笑)
この話は朔にピシッと言われちゃう景時と、卵を口につけちゃった白龍が大好きです(笑)
いやぁ本当に可愛いねぇ、この2人(笑)
あ、話それた・・・という訳で、ヒロインは望美の後輩で譲の同級生です。
どれくらい親しいかというと・・・向こうから進んで声をかけてくれるくらい、って言えばいいのかな?
あーでもまだ当分は他の八葉と合流できないからなぁ・・・ちょっとつまんなーい(おいおい)
↑それなら設定をどうにか変えれば?というのはナシの方向で(苦笑)