「へぇ、姫君の世界では鎖で犬を縛るのかい?」

「外で飼っている場合ね。・・・でもヒノエが言うと、本当に縛られているみたい。」

「ふふ、縛って欲しい?」

髪をひと房手に取って囁けば、顔を真っ赤にして音が聞こえそうなほど首を横に振る。

「あぁ、そうか。姫君を縛るのに鎖はなかったね。」

「そういう問題でもないと思う。」

「愛しい姫君を縛るには、これで充分だ。」

そっと手を取り、の小指とオレの小指を絡める。

「?」

「・・・ほら、ね。オレとお前は運命の赤い糸という鎖で繋がれている。どんな鎖よりも強固な愛で編まれた鎖さ。」

「え?」

細い白魚のような小指を小指でしっかり絡め、姫君の目の前に掲げてみる。

「疑うなら振り解いてみるかい?」

「・・・」

ふふ、困惑している表情かおもまた可愛いね。
お前は本当に色んな顔をオレに見せて楽しませてくれる。

「・・・ほら、解けないだろう?」

「え、え?どうして!?」

手を上下に動かしたり、一生懸命指を引き抜こうとしているけれど・・・無駄だよ、姫君。
オレがしっかり捕まえているんだから振り解けるわけないだろう?

ん〜っっ!!

「ふふ、頑張るね。」

さて、もう暫く頑張る姫君の為、鎖をかけておこうかな。
この姫君へ鎖を絡めたい男は山ほどいるからね。
牽制の意味も兼ねて、もう暫くこのままでいて貰うよ。

だってお前は、オレの女なんだから・・・さ。





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遙か祭の愛の告白を一部利用しています(笑)
あの愛の告白はヒノエよりも「・・・ね?」って上目遣いで言ってくれる直純さんに悩殺されます!
お題の鎖を用いる為、多少強引に話が展開してますがそれは大目に見てやって下さい(笑)
小指を絡めて力を入れれば、普通小指は動かせなくなると思います(多分)
でもそれを強固な愛で編まれた鎖・・・と言ってしまう自分の脳は腐ってるんじゃないかと思います。
・・・あ、でもそれは前からか(苦笑)
取り敢えずお題、次で最後ですので、砂吐きながらお付き合い下さいm(_ _)m