「のぉ、砕蜂」

「はい」

「ワシがおらん間に、四番隊に何かあったのか?」

「いえ…基本的に変わってはいません。ただ…」

「ただ?」

「以前聞いた話ですが…彼女の霊力は殆ど癒しに回っているそうです。その影響、で…その…」

「じゃがあれは霊力以前の問題じゃろう」

「…やはり、そうでしょうか」

「きぃやぁ〜〜っっっ」

砕蜂が僅かな霊力を込めた特殊な蝶相手に、僅かな間に霊力を放出出来るよう訓練をするつもりだったのだが、目の前の少女は死闘を繰り返したかのように傷だらけである。
ふらつきながらも立ち上がる、その根性だけは立派だが、身体は全くついていっていない。

「あ、転んだ」

「はい」

蝶を追いかけていたはずが、いつの間にか逆に追いかけられ、ついには勢い良く転んだ姿を見て思わず頭をかく。

「やれやれ、鍛えるのは別の方向からじゃな」

「夜一様自ら、ですか?」

「ワシじゃなくても構わんが、お願いされてしまったからのぉ…」

「…そう、ですか」

僅かに険しい目になった砕蜂の頭を、昔のように撫でながらニッと微笑む。

「そんな顔するでない。お主も、頼まれれば手を貸すじゃろう?」

「わっ、私は…夜一様のように、物を教える…技量がございません」

「ワシの跡を立派に継いでおるお主がそのように言うでない。軍団長の任が軽い物に思われるじゃろ」

「も、申し訳ありませんっ!」

頭を垂れそうになった砕蜂の額を軽くでこピンしてから、ぐしゃぐしゃと砕蜂の頭をなでまわす。

「相変わらず真面目じゃのぉ〜冗談じゃ」

「は?」

「…じゃが、あの娘も大事な事に気づけば、砕蜂のように強くなるじゃろうな」

「…夜一様」

他の者が見れば何事かと驚くような、うっとりとした表情の砕蜂から離れ、蝶の山に埋もれて足をばたつかせている娘へゆっくり近づく。



お荷物になりたくないんです
いつでも、助けたいんです

――― あなたの側で…



その気持ちに偽りはないだろうが
教えてやらねばなるまいのぉ…

おぬしが、本当に側にいたいのは、ワシではなく…
心優しい、あの四番隊第七席の男、じゃろう?





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【ホームワークが終わらない】に自主的参加です。
ってか、名前変換ない上に、相手…誰!?(笑)
いくら主催者といえども、これってアリ!?状態っすね(苦笑)

すいません、夜一さんと砕蜂コンビ好きなんです。
あ、そうそう、これのお相手は一応花ちゃんですから(最後を見ればわかる)
…でも書いている時からず〜〜〜いぶん時間経ってるんですよね。
花ちゃんって今もまだ四番隊第七席にいてくれてます?(苦笑)
もし、違ってたら直すので言って下さい(おい)

主催者として、多少頑張ってみました。
あといくつ頑張っているかチェックしてみるのも一驚です?