まだ外も薄暗い明け方・・・・
ベットに近づく1つの影・・・
(ん・・・?フク・・・?)
ベットに気配を感じたので布団に招き入れる。
「フク〜ほら入って・・・」
眠ったままの状態で飼い猫の名前を呼び布団を持ち上げて入りやすくしてあげる。
持ち上げた場所から冷えた体の小動物が入りこみそのまま足下までもぐっていった・・・
(これでもう少し寝れる・・・)
今日は休み・・・ゆっくり日頃の疲れを癒しましょう・・・
寝苦しさにだんだん目が覚め始めてきた・・・
(寝難い・・・何かが絡まって寝返り打てない・・・)
もぞもぞと動いたら頭上から声が・・・
「貴女って結構大胆なんですねv」
(ん??)
誰??人の声でだんだん覚醒してきた頭で考える・・・
(寝にくかったのって・・・私が抱きつかれているから・・・?)
そっと抱きついている人を触ってみる・・・
「起きたんですか?そんなに触ったらくすぐったいですよvそれとも僕を誘っているんですかvv?」
(この声って・・・・)
そろ〜と顔をあげるとそこには・・・・
「お早うございますvvv」
と極上の微笑をたたえた白いウサギの耳を生やした青年が・・・・
「うぎゃ===!?」
あまりに驚きベットから転げ落ちる。
「!?なんですか!そんなに大声を出して〜僕の耳は繊細なんですからそんなに大きな声を出さないでも聴こえますよ!それにもう少し艶の有る声は出せないのですか?折角愛し合う者同士の再会なんですよ??」
と言いながら長い耳を両手で押さえて痛さを癒すようにさすっている・・・
その外見・・・
その言動・・・
私が知る限りで一人しかいない・・・
ペーター=ホワイト・・・ゲーム「ハートの国のアリス」に出て来るキャラクターでハートの城の宰相・・・
(なんでここに???なんで私の部屋に???ゲームだよね・・・?)
あまりに驚いてじーっと見つめていると・・・
「?如何したのですか?あv久しぶりにあえて嬉しいのですねvv僕もですよ〜vv凄く会いたかったですvv全然会いに来てくれないんですもん〜僕凄く寂しかったんですよ〜」
よよよよ〜と今にも泣き崩れるかのようなクサイ泣き真似をする・・・
(・・・これは夢・・・?)
ぼーとその光景を見つめていて考える・・・
「そっか・・・夢か・・・」
「?何がですか?」
私の独り言に反応して顔を上げる。
ぼーとベットにいる人物を見ながら右手で頬を思いっきりつねってみる・・・
「めちゃくちゃ痛い・・・」
「何をしているんですか!?」
慌ててベットから飛び降りて私に近づきつねった頬を見る。
「あ〜、こんなに赤くなって・・・しかもつめの痕ありますよ・・・」
痛々しげに傷付いた頬をそっと撫でる。
そして手の感触と違う生温かい物が頬に触る・・・
「?!」
「大丈夫ですよv早く治るように僕が舐めてあげますv僕は綺麗好きのウサギさんですのでねvvv」
頭を抱えてまだ頬を舐めようとしたので慌ててストップをかける。
「待った!!」
「如何したんですか?大丈夫ですよ、ちゃんと治るまで舐めていてあげますよvvv」
「違う!!!大丈夫!!放して!!!」
「も〜恥ずかしがり屋さんですねv大丈夫ですよ、ここには僕らしか居ないじゃないですかvま、居ても皆殺しちゃえば良い事ですしねvv
それとも、このままシチャイマスvvv僕が貴女の事を全部綺麗に舐めてあげますよvv」
と、押し倒されそうになったので慌てて「放せ!」と長い耳を掴んで叫んでやる。
「も〜やめて下さいって言ったじゃないですか〜(涙目)」
私から手を離したので慌てて手の届かない場所まで逃げてみる(ま、狭い部屋なのですぐに追いつくだろうけど・・・)
「だ〜か〜ら〜!なんなのよ!?なんでここに居るのよ!?なんで一緒にベットで寝てるのよ!?」
「何ですか突然?会いたかったから来たに決まっているじゃないですか?」
「は?」
さも当り前のように見返してくる・・・
「ベットだって貴女が入れてくれたんですよ?」
「え・・・私が?そんな事するわけないじゃん!?」
「やだな〜忘れちゃったんですか?昨夜僕が貴女のベットに近づいたら貴女から「入ってv」と言ったんですよ?」
(・・・そんな事言ったか・・・?
そいいえば・・・フクが来たからベットに入れようとしたけど・・・
もしかして・・・)
「ペーター・・・もしかして昨夜ウサギの格好でベットに来た?」
「はい、そうですよvそして貴女がベットに招き入れてくれたので入っちゃいましたvv
貴女の温もりと匂いで幸せでしたよvvv」
「(最悪だ・・・)は〜〜、ところで、ゲームキャラの貴方がどうやって来たのよ!?どうして来たのよ!?何で私のところなの!?」
「だから〜に会いに来たって言っているじゃないですか〜?貴女のところ以外に何処に行けって言うんですか??
あvもしかして焦らしているんですかvv
も〜本当に可愛いですねvvv」
「違う!本当に私は真面目に話をしているの!!」
「も〜分からない人ですね〜?会いたいから会いに来た、それの何処がいけないんですか?だってったら僕に会いに来てくれないじゃないですか〜僕も凄く我慢して画面の中だけでも貴女を見つめられれば良いと思っていたけど、最近の貴女・・・全然画面も開いてくれない・・・」
(あ・・・そう言えば最近忙しくってハトアリやってないや・・・)
「画面を開いても他のヤツのところに行って・・・僕の愛を試しているのは知っていますが、僕が貴女一筋なのは知っているでしょ!?」
(や・・・初めて聞きました・・・)
「アリスの影の後ろの貴女を・・・を見ていたのですよ?」
(そっか・・・アリスの後ろの私を見ていたのか・・・ん?)
「ちょっと待って、貴方自分がゲームキャラだって知ってたの???」
「貴方だなんて他人行儀じゃないですかvvvダーリンvと呼んでくださいvv」
「や・・・呼ばないし・・・」
「酷いな〜いま流行の≪ツンデレ≫ですか?どっちかと言うと僕は何でも言う事を聞く≪従順≫な方が好きですよvvvあ、でも、だったら何でも大丈夫ですv僕が頑張って貴女に合わせますねえ〜vv
楽しい子作りしましょうねvvvv」
子作りってあんた・・・
「は〜、アリスの苦労が分かったよ・・・」
「気分でも悪いんですか?横になった方が良くないですか?」
「そうじゃなくて・・・大丈夫だから・・・」
あまりに心配した顔を見ていたら文句も言えなくなってくる・・・
「ところで何しに来たの?」
一つ一つ疑問を解消していくのが早いと察し一つ目の質問をする。
「、貴女に会いに来たに決まっているじゃないですか?」
「あ〜私にね・・・それじゃあどうやってここに来たの?」
「それはゲームをプレイしていたら分かるでしょ?」
逆に質問されてしまった・・・
「それじゃあ、もう会ったからもう良いんでしょ?」
「?どういう意味でしょう?」
「もう会ったんだから用は無いんでしょ?もう帰った方が良いんじゃない?仕事も溜まっているでしょ?」
「なんて貴女は冷たいんだ!?僕がこうやって会いに来たんですよ!?大変だったんですよ!?貴女は僕に会いたくなかったんですか!?」
私の腰に抱きついて大げさなほど泣いている・・・
(会いたくないわけ無いじゃん・・・キャラの中で1番好きなんだから・・・
今だって結構流されそうでヤバイって・・・)
「僕は貴女とこれ以上離れるのは嫌です!だから僕の所に連れて行きます!!」
「・・・は?」
「僕の所に来てくれれば一生幸せにしてあげますよvvさ、行きましょうvv」
と私の事を無理やり横抱きに(俗に言う≪お姫様抱っこ≫)してパソコンに向かう。
「幸せにしてあげますからねvvv」
「ちょ、ちょっと待って!!」
と言っているまに狭い部屋・・・止める間も無くパソコン画面に吸い込まれる・・・
「幸せにしてあげますから(チュッv)いつまでも一緒にいて下さいねvv」の言葉だけが部屋に残る・・・
帰れるのか・・・
帰れないのか・・・
それは貴女しだい・・・
私は・・・
「いつまでも一緒にいて下さいねvv」
【ホームワークが終わらない】にご参加下さりありがとうございました!
正美さん、ストーカーもとい、可愛いペーターをありがとうございましたーっ♪
どっから見ても、ペーター(笑)
人のベッドの中に、勝手に入り込むとことか!
言いたいこと言って、人の話は長い耳を右から左に流すとかっ!
ウサギの姿ならナニをしても許されると思ってるとことかっ!(許すけど、可愛いから)
ものすんごい、こー…強引に話を進めて腹が立つはずなのに、泣かれてしまうと可愛くて仕方ないんですよねぇ。
さすが宰相…自分の使い方を良く知ってる。
だがしかし、傷口をいつまでも舐めていたら治るものも治らないだろう?!とか思うけど、それすらもきっと聞こえないんだろうなぁ(苦笑)
そんなペーターですが、これが愛しく感じてしまうんです。
恐るべし…裏に控えてるM田K季氏(笑)
こちら、喜んで懐に収めさせていただきます。
お忙しい中、本当にありがとうございました!!