「ブンちゃん!」

「よぉ、

「おめでとー!ソロデビュー!」

「サンキュ」

ガムを食べているブンちゃんの前に、買ったCDを取り出してみせる。

「じゃじゃーん」

「なんだ、買ったのかよ」

「勿論!」

「お前が言えば、やったのに」

「いいの、ちゃんと買ってブンちゃんの応援したかったんだもん」

もしかしたら、CDTVとかのランキングに入るかもしれないじゃん!
だから、ちゃんと自分で買って協力したかったんだもん。

「そっか…ありがとな」

「うん!」

ぷくぅ〜とガムを膨らませながら、ブンちゃんがCDを指差した。

「…で、どーよ」

「すごいブンちゃんらしい曲だった!これ、好き!」

「そっか、そりゃ良かった」

「だって買ってから、今も、ずーっとエンドレスリピートだよ?」

言葉通り、ここへ来るまでもipodでエンドレスリピート。
首にかけていたイヤホンを軽く指で掴んで揺らしてみると、ブンちゃんが苦笑した。

「おいおい、別にそこまで聞かなくてもいいだろぃ」

「えー、だってなんか、リピートしたくなるんだもん」

「っつーか…」

「え…?」

ぐいっと抱き寄せられて、思わず手にしていたイヤホンがぽろりと落ちる。

「俺といる時は曲なんか聞かないで…俺の声聞いてりゃいいじゃん」

「…そ、そうだ、ね」

「折角、久々に会えたんだしよ…」

ぎゅっと強く抱きしめられて、一気に顔が熱くなる。
それと同時に、今まで静かだった鼓動も



どきどき、どきどき



まるで、ブンちゃんの曲と同じように速いテンポで動き出す。



でもそれは、あたしだけの音じゃない。
ねぇ、ブンちゃんも…同じ?

だって、抱きしめてくれるブンちゃんの鼓動も、すごく、速い。




抱きしめられたまま、ブンちゃんの声が頭上から聞こえた。

がいたから、あの曲だって歌えたんだぜ」

「…え?」

「タイトルからしてわかんだろ?誰に向けた歌かって」

「…え゛」

「なんだよ、わかってなかったのか?」

「いや、だって…え?

そんな風に考えたこと、なかった。
ブンちゃんらしい曲だって思って、歌詞を細かくみたりしてないし。
リズムが良くて、ついついずっと聞いたりしてて…。

そんな様子が表情に出ていたのか、抱きしめていた手が緩められて、わざとらしくブンちゃんがため息をついた。

「はぁ〜…これだから、鈍感な彼女を持つと苦労するぜぃ」

「鈍感じゃないもん!」

「鈍感、だろぃ」

指が額に伸びてきたので、いつものようにデコピンされると思い、ぎゅっと目を閉じると、額に押し当てられたのは…指ではなく、柔らかいもの。


chu…


「ブン…ちゃん」

「苦手だけど、ちゃーんとお前には言ったろ…好きだ、って」

「……う、ん」

「だから、これは…お前に向けた歌だって、ちゃんと感じてろぃ」

ひ、いたひぃ〜〜

頬を軽く引っ張られて、思わず声をあげる。

「わかったか?」

、わひゃっひゃー

甘かったり、いじわるだったり…途端にテンポが変わる。
プレイスタイルとは違う、ころころ変わるブンちゃんに、あたしはいつも振り回されてばかり。

「なぁ、。なんか持ってねぇか?腹減った」

「あ、じゃあデビュー祝いに、ここ…行かない?」

痛む頬を手で擦りながら、あらかじめ用意していたチラシをブンちゃんへ差し出す。

「学生限定のケーキ食べ放題のお店」

「お!うっまそー」

「ちょうど今日からなんだって」

「んじゃ、早速行くか」

「うん!」

差し出された手を、躊躇う事無く握って、並んで歩く。





彼が、あたしの…大切な人
そして、あたしの、
大好きな…人





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ブンちゃん、ソロデビューおめでとー!
ってことで、日記で軽く下書きをして、それを校正して訂正して…サイト用にしてみました。
「大切な人へ」なんていう素敵なタイトルで歌ってくれました。
この勢いでアルバムも出してみよぜ!(笑)
直ちゃんが普段歌わない感じの、こー…テンポの速い感じの曲って楽しいので、是非2枚目も期待してます。
おおっぴらにどこぞへアプローチするような応援は出来ないので、その分オリコンさんへご協力させて頂きました。
なにとぞ、30位以内にランクインしますよーにっ!!

オリコン初登場17位!
CDTVも29位ランクイン!
合わせて、おめでとーっ!!o(゚∇゚*o)(o*゚∇゚)o〜♪