「んっ・・・」
「ほら・・・逃げない」
「だ、だって・・・」
くすくすと楽しそうに笑いながら、結城さんの手が後頭部に回される。
「だってじゃない」
言葉を紡ぐと同時に再び唇が触れ合い・・・離れていく。
「ほーんと、君とのキスって気持ちいいよね」
「・・・そうですか?」
「そうです・・・はい、もっかいね」
「ん・・・」
まるで呼吸するみたいにキスを繰り返している所為で、頭のシンまで熱くなってくる。
「前にも言ったけど、俺、君とするキス大好きなんだよ」
「知って・・・っ・・・す」
「ん・・・・・・そっか」
キスしながら話すのなんて、もう無理。
降参を意味するように結城さんの肩を震える手で握るけど、結城さんはそれに気づかないフリをして、また楽しそうに笑いながら私の頬を手の甲ですっと撫でた。
「まだダ〜メ、逃がしてあげない」
「も、もぅ無理です・・・っ・・・てば・・・」
「嘘、まだ平気でしょ」
結城さんの柔らかい唇の代わりに、器用な指先が唇をスッと撫でる。
指とは違う感覚に背中が一瞬ざわついた。
「あっはー、いい色」
「・・・馬鹿」
「馬鹿はないでしょ、馬鹿は」
「馬鹿は馬鹿です」
「あらま、嫌われちゃったかなぁ〜」
口ではそんな事言いながら、指先が唇から離れると同時に再び結城さんの唇が降りてくる。
「・・・っ」
ただ触れ合うだけのキスなのに、結城さんの愛情がいっぱい自分の中に注ぎこまれている感じがする。
仕事で疲れた心が、どんどん満ちていく感覚。
こんな感覚を与えてくれるのは、世界中でただ1人・・・結城さんだけ。
力なく閉じていた瞼をゆっくり開けると、結城さんが優しい笑みを浮かべながら甘く囁いた。
「潤い、たまにはい〜っぱい与えないとね」
「・・・え?」
「最近忙しかったでしょ。だから、その分今日はいっぱいあげるよ」
「・・・」
「いっぱい、愛してあげる」
「結城・・・さん・・・」
「ね、君はどう?俺にお返し・・・くれないかな」
ねだるように顔を近づけてくる結城さんの瞳は、まるでご褒美を待っている子供のよう。
そんな結城さんに弱いなぁって気づいたのは最近だけど、だからこそ私はほんの少し弾みをつけて・・・結城さんにキスをした。
「・・・ん・・・んん〜っ!!」
「ん〜♪」
軽いキスのつもりが、結城さんがしっかり腰を掴んでる所為で離れられない。
結局熱く深いキスを続けて力の抜けた私の体を結城さんが抱き上げて、ベッドに下ろされるまで・・・キスが終わる事はなかった。
――― 綺麗な花、咲かせてあげる
結城さんとのキスは、ただのキスで終わらない。
・・・・・・・・・・脳みそがおかしかったみたいですね。
結城さんはキスが好きみたいです(笑)
えぇ、そういう事にしておいて下さい!!!(笑)
ちなみにこの話を読んでゲームのとあるシーンが浮かんだアナタ!
きっと私と同じくらい結城さんENDを見ている事でしょう(笑)
えぇそうですよ、書いている時脳裏にいたのはそのシーンの結城さんです!
という訳で、これ以上コメント書くのが恥ずかしいので・・・逃げますっ!(脱兎)