何だか体が重い・・・
胸の辺りに・・・何かが・・・
まさか、地球軍が艦の中にまで!?

俺は目を閉じたまま相手に気づかれぬよう枕の下に手を伸ばすと、隠してあった小型ナイフを手に取り勢い良く目を開けた。

「誰だっ・・・て・・・?」

するとそこには俺の胸に頭を置いて気持ち良さそうに眠っているがいた。
俺は緊張と驚きの入り混じったため息をつくと、手にしていたナイフを再び元の場所に戻した。

「んっ・・・」

俺が大きく息を吐いた事でが瞼を少し震わせた。
しかしそれも僅かの事で、暫くするとまた気持ち良さそうに規則正しい寝息が聞こえてきた。

それにしてもどうしてが俺のベッドに?

ふと疑問に思ってのベッドを見ると一度はそこで眠っていた形跡がある。

「そういえば・・・はよく寝ぼけて布団を間違えたっけ・・・」

苦笑しながら幼い日の事を思い出す。










ある日、の両親が研修の為一週間ほど家を留守にするというので俺の母がを預かる事をかってでた。母はを気に入っており、も母に懐いていた。
そして夜になり俺の隣の部屋にある客間で眠りについた筈のが、何故か朝になると俺のベッドの中にいた。

「うわあっ!」

「・・・ん〜」

手をぎゅっと握り口元に当てて丸くなっている姿は、まるで天使がこの世に生まれ落ちたかのようだった。
けど、その時の俺はただただ声を上げて驚くしかなくて・・・。
その声に驚いた母が部屋に飛び込んできて、眠っているの頭を撫でながら今は聞けない優しい声で教えてくれた。

ちゃんは一人が寂しいのかしら?それとも、アスランが寂しいと思って来てくれたのかしら?」

「僕が?」

「キラくんが病気で会えなくて・・・寂しかったんじゃない?アスラン?」

「そんな事っ!」

「ふふっ・・・もう少し寝かせておいてあげなさい。アスランがギュッて抱いてあげるときっと喜ぶわよ。」

「母さん!!」

くすくす笑いながら出て行った母の背中を見ながら、俺は初めてを気にし始めた。
本当はが寝ぼけただけって事なんだけど・・・何となく母が言ったように俺が寂しいって言う事気づいてくれたんだと思って。気持ち良さそうに眠っているの隣に体を滑らして、母に言われた通りそっとその体を抱きしめたら・・・今まで見たことない顔では笑った。

それはまるで天使の微笑みたいで・・・。










「ってその時は思ったけど、実際はただ寝ぼけただけなんだよな。」

その後、何度俺の家に泊まりに来て別々の部屋で寝てもは必ず朝には僕のベッドの中にいた。
何度注意してもそれは直らなくて・・・。

「今もまだ直ってないのか・・・まさか!」

そこまで口にして俺はある事を考えてしまった。
男装をして艦で働いているは俺と会うまで、医局の二人部屋で他の男性と一緒に寝食を共にしていた。

まさか・・・寝ぼけたが隣のベッドに入ってしまったって事は・・・。

「・・・ない・・・か。」

そこまで考えてから自分の考えをとっとと打ち消した。
は俺のベッドにしか迷い込まない。

それを決定付ける実験を俺は母と一緒にやった事がある。(言い出したのはもちろん母だ。)
俺と母の眠る場所を入れ替えたり、ベッドの位置を変えたり、ワザと俺の部屋を空にして俺が客間で眠ってみたり・・・それでもは朝になると必ず俺の眠るベッドの中にいた。

「ここまで来るとある意味凄いな。」

俺は胸元のが落ちないよう支えながら体を横にした。
そっと頭を持ち上げその下に自分の腕を通すと、の顔をじっと眺めた。

「・・・口、開いてる。」

幼い頃と同様、少し口を開けてそこからすぅーすぅーと言う空気の流れる音が聞こえ思わず吹き出しそうになる。働いている姿を見ると、立派に成長したものだと思ったがこういう姿を見るとやっぱりまだまだ手のかかる少女に思えてしょうがない。欠伸をしながら空いているもう片方の手をの背中に回して昔のようにそっと抱きしめようとして、俺は思わず呼吸と同時に手を止めた。
薄い布団と体の隙間からの体が僅かに見えて・・・

「!!」

動揺のあまり思わず起き上がってしまい、腕に乗せていたの頭がコロリと布団の上に落ちた。
さすがにその衝撃で起きないなんて事はない。
はゆっくり目を開けるとぼんやり目の前の俺を見てにっこり笑った。

「アスランは量産型ぁ〜・・・」

「はぁ?」

謎の言葉を残しては再び俺の隣でネコのように丸くなって眠り始めた。
俺はを起こさないようそっと布団を抜け出て上着を羽織るとそのまま部屋を出た。





「だから俺だって男なんだって・・・」

少し熱を持った頬を冷やすように、俺は廊下の壁に体を預け頬を寄せた。
ひんやりした壁が頬の熱を徐々に取り去ってくれる気がする。
は普段男装しているため俺と同じ軍服に白衣をはおり、それこそ幼い頃のキラの様にあちらこちらを走り回っている。
そんなの気が休まればと思って、部屋にいる時はキチンと鍵を確認してから俺の前でだけは昔のように過ごしていいと言ったのは・・・確かに俺だ。

「でも・・・いくらなんでもあれはないだろう!」

思わず壁を叩きそうになった手をギリギリの所で止めてぐっと堪える。

「頼むから・・・ちゃんと服を着て寝てくれ・・・」

俺の布団の中にいたは、殆ど下着姿と変わらない・・・少し大きめのタンクトップを一枚身につけていただけだった。いくら幼い頃から知っているとは言え・・・限度を越えている。

「どうして俺の周りはこう、天然と言うか警戒心の薄いヤツが多いんだろう。」

それはキラだったり、ラクス嬢だったり・・・だったり。
これからも苦労が耐えない気がするなぁと思ったのは・・・気のせいじゃないはず。
このまま廊下にいるわけにも行かず、今日の所はにベッドを譲り・・・明日になったら服の話をしよう。

男が誰だって紳士と言う訳ではないという事と共に・・・。





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スイマセン!ガンダムSEEDのCDを衝動買いした結果・・・アスラン話が書きたくて×10しょうがありませんでした!
設定も何も無く・・・っていうかまだ詰めてない状態。
決定事項としては、幼い頃アスランの家の隣に住んでいるコーディネーターの女の子。
両親が医療系に勤めている・・・それだけ?(おいっ)
まぁお話が書ければ徐々にその辺も書きたいなぁと思いますがどうでしょう!?

ちなみに部屋に戻ったアスランはベッドに寄りかかるようにして眠るけど、朝になるとアスランには毛布が掛けられていて、ふと隣を見るとヒロインが眠っています(笑)
しかもアスランが動揺した服装のままで・・・モチロン朝の第一声は幼い頃と同様「うわあっ!」です(爆笑)

ガンダムSEED・・・現在放映中、しかも折り返しくらいですか?
最初は石田さんが出るから〜♪と言う不謹慎な状態で見始めたんですが、今ではしっかり楽しみにしています。
参謀ともたまに話をしているんですが、まぁその多くは・・・生存者の話(不謹慎な・・・)いや、推測すると色々考えられるものですネェ…話のオチって。
取り敢えず現在心からアスランの生存を望んでおります。
でもやっぱりガンダムの背景って言うか用語って言うのは・・・難しいなぁ。(え?私だけ!?)