「何ですぐに寝れるかな、この状況で・・・。」

はぁ・・・と大きなため息をついて、俺はシャツの袖を掴んで眠っているとその隣で気持ち良さそうに眠っているキラの二人を見た。
考えてみろよ!いくら小さな頃から一緒にいるからって、遅くまで遊んでたからって、キラのご両親が留守だからって・・・何で同じ部屋、同じベッドで寝るかな!?





眠る前に一応キラとの二人には説明した。
俺達は幼馴染とは言え、もう子供じゃないんだから別々に寝よう・・・って。
キラはその意味が分かったらしく、少し頬を染めた後「そうだね」って言ったのに・・・は・・・特技とでも言うべき天然ボケを発揮してくれた。

「何で?あたしアスランとはいっつも一緒に寝てるよ?キラとはダメなの?」

「えっっ?そうなのアスラン!?」

「ちっ違うよキラ!と一緒に寝てるんじゃなくて、が寝ぼけて俺のベッドに潜り込んできてるだけだろ?」

ああぁ・・・もぉキラが凄く驚いた顔してるじゃないか!
キラは一回信じるとそれを訂正するの大変なんだぞ!!
でもはそんな俺の苦労など知りもせず、可愛らしく首を傾げながら更に波を立てる台詞を呟いた。

「・・・でもアスラン、朝起きたら必ずギュッってしてくれてるよ?」

「ア、アスラン!?」

「そっ・・・それはっっ・・・その・・・」

寝てる時の事まで責任持てないよっ!
枕や布団を抱きかかえるのと同じような感じ・・・なんて言っても二人は信じないだろうなぁ。





結局その後、とキラの質問に耐え切れなくなった俺は諦めて今の状況をのんだ。

真ん中にを挟んで扉側にキラ、窓際に俺。

俺とキラに挟まれたは何だか楽しそうで、そんなを見ていたら俺も何だか嬉しくなって三人で暫く喋っていたんだけど、やがてキラが眠ったと同時にも眠った。
残ったのは・・・俺。

「俺が眠ってる時ならが来ても全然分からないから気にしないんだけど・・・」

窓から差し込む月の光は、俺のシャツの袖を掴むの顔を綺麗に映し出していた。
僅かに開いている小さな口は時折何かを食べているかのように動いている。

「・・・何だか小動物みたいだな。」

掴まれていない方の手でそっと頭を撫でてやると、急にの頬が緩みにっこり笑った。

「!?」

大きく聞こえる心臓の音が、隣で眠るに聞こえないよう手で押さえながら俺は布団の中に潜り込んだ。



の笑顔なんて初めて見た訳じゃない。



むしろ・・・見慣れているはずなのに、何で俺こんなにドキドキしてるんだ?
落ち着こうと思って深呼吸を繰り返していたら、俺の頭に何かが当たった。
何だろうと思って布団から顔を出すと、寝返りを打ったキラの腕がちょうどの体を抱きしめるように回されていた。

そういえばキラもあんまり寝相いい方じゃなかったっけ・・・。

苦笑しながらまず最初に俺のシャツを掴んでいるの手を解いて、次にの方に寝返りを打ったキラの体を反対側に転がしてキチンと布団を掛けてやる。
二人がキチンと布団を掛けて眠っている事を確認すると、俺も布団に潜って今度は視線を隣で眠っているの方へ向けた。

「・・・おやすみ、。」

明日は学校午後からで良かった・・・少しは寝坊しても大丈夫・・・だな。
気付けば何時の間にか俺の瞼も閉じかけていて、さっき迄気になってしょうがなかった隣で眠る小さな女の子の事も・・・考えられないほどの睡魔に襲われた。















誰かが何かを言っている。
やけに肩を揺らすヤツがいる・・・これは、キラ・・・か?
俺、昨日寝たの遅かったからまだ眠いんだよ・・・もう少し寝かせてくれよ。
肩に置かれている手を振り払って寝返りをうった。





次は何だか甲高い・・・機械音。
目覚まし時計?でも・・・俺のじゃない。
気にせずうとうとしていたら、ちょっと遠慮がちに肩を叩かれ小さな声が聞こえた。

「アスラ〜ン・・・8時、過ぎてるよぉ。」

・・・、か。

「ん・・・」

ゆっくり目を開けると、まだ眠そうな顔をしたが俺を見下ろしている。
あ〜・・・やっぱり昨日遅くまで眠れなかったから、より起きるの遅くなっちゃったか。
に起こされるのなんて・・・久しぶりだ。

「あのね、遅刻・・・しちゃうよ?」

昨日の夜キラとにちゃんと言ったのに、もう忘れてる。
今日は午後からだから、まだ寝てられるんだよ?
そう言おうと口を開いたけど、寝起きの所為か上手く声が出ない。
しょうがないから起き上がろうとするの手を掴んで、取り敢えずを振り向かせた。

「アスラン?」

「・・・まだいいじゃないか。」

・・・ちょっと情けない声だけど、今はこれが精一杯。

「え?」

不思議そうな顔をしたの手をちょっと力をいれて引っ張ればはすぐにベッドへ逆戻り。
そのままぼーっと天井を眺めているに、何とか気力を振り絞って声を掛ける。

「今朝は・・・ゆっくりしようよ。」

あー・・・ダメだ。全然声に力入らないから、自分の声が妙に弱々しい。

「でもアスラン・・・学校・・・」

「大丈夫・・・今日は、午後から・・・だから・・・」

俺がポツリポツリと呟いた言葉が聞こえたのか、再びが布団に潜り込む気配を感じた。
の存在を確認しようと重い瞼を開けると、やけに端の方で横になっていた。
・・・あんなに端で寝たら、寝返り打つと落ちちゃうじゃないか。

「・・・

「なぁに?」

俺は掛け布団を少し持ち上げると、落ちないようもう少しこっちに来るよう手招きをした。

「アスラン?」

何も言わず手招きしている意味が分からなかったのか、が俺の名を呼んだ。
俺、もう限界なんだけど・・・。

「ほら、もっと近寄って・・・」

そうしないとベッドから落ちるよ・・・って続きの言葉はもう声にならなかった。
自分がそんなに眠いと言う事が恥ずかしくて、ちょっと照れたように笑ったら・・・が俺の腕の中に自然にやって来た。
・・・あぁ、はいつもこうやって潜り込んでくるんだ。
すぐにでも眠ってしまいそうなに、この時間には不適切だけど、この状況には適切な言葉を言う。

「・・・おやすみ、

普通は「おはよう」が正しいんだけどね。
それでもは笑ったり驚いたりもせず当たり前のように挨拶を返す。

「・・・おやすみ、アスラン」

そうして何時もの様にの体をギュッと抱きしめて目を閉じれば、すぐにの寝息が聞こえる。
これが何時もの事だと、そう思ったら体の力が抜けてこれ以上目を開けていられなくなった。










キラもも同じくらい大切な親友なのに
何故だろう、昨日・・・キラが今の俺と同じようにを抱きしめているのを見たら、ホンの少しだけ胸が痛んだ。

でも今は・・・凄く温かくて、幸せで・・・何も考えられない





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モーニングコールアスランサイド(笑)
取り敢えず石田さんの色っぽいと言うか気だるそうな
「まだいいじゃないか 今朝はゆっくりしようよ ほら、もっと近寄って・・・」
には心の底から誘惑されました!
と言う訳で、三人で眠ると言う裏にはこんな事があったんだよvと言う捏造(おいっ)
書いていて思った事、私の頭の中ではキラよりもアスランのほうが独占欲強い?
いや、まぁそれは願ったり叶ったりなんだけど・・・だって知らないうちにヤキモチやいてるんだもん。
さてこれはどう言う事か(笑)