珍しくアスランよりも早起き出来たのを喜んだのも束の間。
僕はもうかれこれ30分近くも声を張り上げ続けている。
と言うのも、昨日遅くまでカードゲームで遊んでいた所為なのか、泊まりに来たアスランとが・・・まだ起きてくれないんだよ。
何で二人ともこんなに寝起き悪いんだよ!

「ねぇ二人とも!朝だよ!」

「「んー・・・もうちょっと・・・」」

言ってる言葉は同じなのに、どうしてそんなにハモルかなぁ?
僕はため息をついて枕元に置いてある時計をチラリと見て驚いた。

「ええぇぇー!!もうこんな時間!?」

時計の針は僕が起きた時まだ7時過ぎだったのに、もうすぐ8時になろうとしてる。
やばい・・・やばいよ絶対!!
昨日母さんが出かける前に「夜更かししちゃダメよ」って言ってたのに、遅刻なんかしたら・・・また怒られる。
今いないはずの母さんの怒鳴り声が頭の中で響いた気がして、慌ててベッドの上に飛び乗るとアスランの肩を掴んで前後に揺さぶった。

「アスラン!アスラン!!」

普段ならすぐに起きるのに・・・何で今日は起きないんだよ!!
もう一度アスランの名前を呼んだら微かに手が動いたから、起きたのかなって思ったのに・・・その手は肩を掴んでた僕の手を振り払う為に動いただけだった。
ボーゼンとアスランを見てたら、背中向けて気持ち良さそうに眠り始めた。
・・・も、もうアスランなんか知らないよ!遅刻しちゃえばいいんだ!!
いっつも僕が言われてる台詞、今日は僕が言ってあげるよ!!





気持ちを切り替えて次にアスランのすぐ側で眠っていたを見た。

「・・・うっっ」



可愛い。



こっちを向いて気持ち良さそうに眠ってるは、何か本当に人形みたいでこのままにしてあげたい気になる。
アスラン・・・よくこんな可愛いを毎日起こしてるよなぁ。
僕だったら絶対起こせないよ・・・可哀想で。
思わず伸ばした手を止めてその寝顔を見ていたんだけど、時計の針の音がやけに耳について・・・僕は諦めるようなため息をついて、アスランと同じようにの肩を揺すりながら名前を呼んだ。
はアスランと違って返事を返してくれるから、これなら起きるかもって思ったんだけど・・・かなり、怪しい。
僕の問い掛けに全て「うん」としか言わないし、時には頷くだけで返事もしない。

「もぉ〜ほんっとうに遅刻しちゃうよ?アスラン!!!」

いい加減僕の堪忍袋の緒も切れちゃうからね!!
近くにあった時計を手にとって、目覚ましの時刻を今の時間に設定すると起きている僕でも煩く感じるようなジリリリリって言う時計の音が部屋中に響いた。

「ほら!!!」

取り敢えずさっき返事をしてくれたの方が起きる確率、高そうだよね。
そう思っての耳元で時計を鳴らしたら、がうっすら目を開けて僕を見た。

「キ・・・ラ?」

寝起きで舌っ足らずな声が妙に可愛い。
さっきまであんなに苦労していたはずなのに、僕はにっこり笑顔でに朝の挨拶をした。

「おはよう、。朝だよ?」

「ん・・・」

「そろそろ起きないと学校遅刻しちゃうよ。」

「も・・・そんな、時間?」

何だか・・・ネコみたいだ。手の甲で目元をゴシゴシ擦って一生懸命起きようとしてる。
ごめん、昨日遅くまで遊ばせちゃったからだよね・・・今度は気をつけよう。
心の中で反省しながらの手にさっきまで煩く鳴っていた目覚まし時計を渡して、現在時刻を教える。

「もうすぐ8時だよ。」

「・・・あれぇ?」

・・・僕がこんなに頑張って起こしたのに、全く気付いてなかったんだ。
さっきあんなに頷いたり返事してくれてたのも・・・やっぱり寝ぼけてたんだね。

「あれぇ?・・・じゃないよ!僕がどれだけ苦労したか・・・ってこの話はまた帰ってからね。」

に気付かれないようため息をつくと同時に、僕は大切な事を思い出した。
僕、今日・・・日直じゃないか!!
慌てて昨日アスランに言われて準備をした机の荷物を手に持った。

「僕日直だから先に出るけど、はアスラン起こして、戸締りしてちゃんと来るんだよ?じゃぁ・・・行って来ます!」

それだけ言うと僕はまだ目が覚めきらず、ベッドに腰掛けているに手を振りながら部屋の扉を閉めた。
本当だったら皆で朝ご飯食べて、一緒に学校に行って・・・ってやりたかったのに!!
もぉ〜全部ダメじゃん!!

泣きたい気持ちになりながら、それでも皆勤賞を逃したくなくて一生懸命学校までの道のりを走った。
その時、気付けばよかったんだよね。
いつもより人通りが少なくて、いつも会う友達に会わなかったって事に・・・。










僕がおかしいと思ったのは学校について、校門が閉まっていた時だった。

「あ゛・・・今日の授業って午後から?」

昨日ゲームを終えてさぁ寝ようって時にアスランが言ってたっけ・・・明日は午後からだから、慌てて学校に行かないようにねって・・・。

「って事は、僕まだ寝てられたんじゃん!!」















息を切らして再び家に戻って、恐らく起きている二人に笑われるんだろうなぁって思いながら部屋に入ったら・・・まだ寝てるよ、この二人。
がっくり膝をついて、そのまま這うようにベッドに近づいてちょっとだけ体を起こして二人の様子をのぞきこむ。



滅多に見られないような、穏やかな笑みを浮かべてをしっかり抱きしめて眠ってるアスラン。
それとその腕の中で安心しきって眠ってる・・・

「・・・あ〜あ、僕ももう一回寝ようかな。」

気持ち良さそうに寝てる二人を見たら、今朝の苦労なんて全部忘れちゃったよ。
僕は荷物を床に放り投げて上着だけ脱ぐと、二人を起こさないよう注意しながらの隣に入った。最初は天井を見てボーッとしてたんだけど、隣で眠る二人を見てたら一人だけ上向いてるのも寂しかったからさ・・・僕もアスランと同じようにを背中から抱きしめるように腕を回して、目を閉じた。










窓から差し込む日差しがちょっと眩しかったけど
が少し動くたびに、首筋に当たる髪の毛がくすぐったかったけど
でもそれよりも、誰かの温もりを感じられるこの距離が・・・

やけに嬉しくて・・・幸せで・・・





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モーニングコールキラサイド(笑)
えっとラジ種でキラが最初に起きていたので今回先に起きてもらいました。
本来なら彼もお寝坊サンなはず!(決め付け!?)
これでいくと普段アスランは寝起きが良い筈ですが、今回は中々眠れなかったらしく起きませんね(苦笑)
取り敢えず可愛いほんわかした感じが出てれば嬉しいですv