「おめでとう、ディアッカv」

「・・・サンキュ。」

この間ちょっと喋った女から誕生日だと言ってプレゼントを貰った。
そのお礼にちょいと頬にキスして、プレゼントを手に通路を歩いていたら・・・そこをアスランとアイツが通って行った。

「・・・あいかーらず、仲いいんだな。」

ポツリと呟きそのまま踵を返してアイツラと反対方向へ向かう。
ちょいと遠回りして部屋に戻り、貰ったプレゼントを机に放り投げるとそのままベッドに横になる。
机の上には同僚やさっきみたいな女から貰ったプレゼントが山と積まれている。

「・・・ゴクローサン。」

高価な物だったり、その辺にあった物だったり・・・中にはオレの趣味を理解してくれて本当に選んでくれたんだろうなって物もある。



ケド、今オレが本当に望む物は・・・多分手に入らない。



「ったく、何でオレがこんな馬鹿なこと考えなきゃなんねぇんだっての。」

アイツが誰を見てるのか、誰を想っているのかは・・・明らか。
それでも気になるんだからしょうがないってのは分かってんだけど・・・さ。

「・・・報われない思いってのはドーモ性に合わないんだよな、これが。」

珍しく気持ちが沈んでるトコへ部屋のドアが開いた音が聞こえた。
あー・・・またイザークがアスランに負けたとか騒ぎに帰ってきたんじゃねぇだろうな。
誕生日の今日くらいカンベンしてくれよ・・・。
これから聞えるであろうイザークの奇声を覚悟して背中を向ける。
しかし、オレの耳に届いたのは以外な物の音と・・・ありふれた言葉。





パン パン パパンッ☆



「お誕生日おめでとう!ディアッカ!」

「あぁ!?」

何だ?今の音は・・・それに、変な音に混じって聞えたのはアイツの声。
体を起こして振り返ると、妙に楽しそうに笑っているの手には数個のクラッカーが握られていた。

「おい・・・」

「ん?」

しかも全部使用済み・・・って事は、今の騒音の原因はオマエか!?

「あのなぁ・・・」

「あれ?今日お誕生日、だよね?」

・・・そうだよ。

「午前中に一回部屋に来たんだけどいなかったから・・・」

午前中・・・あー確か誰かに呼び出しくらってた時か、ちっやっぱ部屋にいればよかったぜ。

「悪かったな・・・にしてもオマエ何だよ、それ。」

が数個まとめて手に持っているクラッカーを指差すと、なぜか笑顔でそれをオレの前に差し出した。

「誕生日のお祝いにはクラッカーでしょ!」

「・・・普通祝いの時にはひとつしか使わねぇーじゃん、そーいうのは。」

大体寝てる・・・っつーか、横になってる人間に背後からクラッカーを鳴らすって事自体おかしいだろ?
思わず頭を抱えて肩を落とせば、がしゃがみ込んで下からオレの顔を覗き込んだ。

「ディアッカ?具合悪いの?」

「・・・いーや。」

どうしてこの状況でそう考えるんだよ。

「医局から薬、貰ってこようか?」

・・・それがプレゼントかよ。

「え?」

口から洩れた言葉を慌てて飲み込もうとしたけど間に合わず、ガキみたいな事を言ったと後悔してもそれを聞いたは目を丸くしている。

「あー・・・じゃなくて・・・」

「プレゼント・・・また雑誌?」

・・・あのなぁ、オレ=雑誌っつー公式でもコイツの頭の中には出来てるのか!?
をまた心配させないようなるべく態度に出さないようため息をつく。
分かってる、こいつが出来る範囲で祝ってくれてるって事くらい。





だけどオレが欲しい物は絶対手に入らない。
・・・それなら今日くらい、この願い―――叶えろよ。




眉間に皺を寄せて何かを考えているの肩にポンッと手を置いてニヤリと笑う。
その笑みに何か不吉な物を感じたのか、僅かに後ろに下がろうとするコイツの体をしっかり捕まえる。

「プレゼント、一個貰いたいもんあるんだけどな〜オレ。」

「・・・な、何?聞くだけなら・・・」

・・・素直、だよな。
そんなお前の口から、どうしても聞きたい言葉があるんだよ。
耳元に唇を近づけて、小さな声で願いを伝える。

「・・・」

「・・・え?」

「それ以外は受け取ってやんね。」

体を離した瞬間にの額をデコピンして、笑いながらベッドに放り投げていた上着を手に部屋を出ようと扉へ向かう。



「っっつ〜・・・待って!・・・ディア!!

「誰がオマエみたいなノロマ待ってやるかよ♪」















――― 今日一日、ディアって呼べよ。

それが今オマエに望む最高のプレゼント。
物や形なんかいらねぇ。
オマエの声を胸に刻む、誰も呼んだ事のないオレの名前を・・・。
そんなバカな願いをオマエにするとは、思ってもみなかったけどな。





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★ Happy Birthday ★

ディアッカ・エルスマン

ディアッカお誕生日おめでとうv話。
・・・のはずなのに、何故こんなに切なげな話になってるんだ!?
それは多分、風見の趣味でしょう(笑)私はこんなディアッカが大好きです!!
好きなんだけど無理強いできなくて、でも自分の願いも通したくて・・・落ち着いてるようだけど子供みたいな感じが可愛くて×10(笑)
(皆様のイメージと違うディアッカだったらごめんなさいね(笑)風見の趣味ですから★)

ずっと前からディアッカを『ディア』と呼びたくて、今回それをネタに書きました。
(思いついてから書き終わるまで90分(笑)ゴメン、ディアッカ!)
ディアの誕生日の日に更新できないので今回前倒しです!(だから時間、なかったの!)
本当の彼の誕生日は 3月29日 ですのでv覚えてあげてください♪
これで一応誕生日話は終わり・・・かな?隊長の話も書きたいんですが、誕生日不明なんですよね(笑)
・・・誕生日捏造して書こうかな、隊長も(笑)そうすればクルーゼ隊オッケーですよね!!
(ミゲルとラスティは!?とか言わないように(笑)誕生日知りませんから!!)