「おはよう、アスラン。」

寝ぼけ眼のアスランの額に軽くキスをする。

「・・・おはよう、。」

毎朝、先に起きた方が相手を起こす時にキスをする。
別にどちらが始めたわけでもないし、決めたわけでもない。
それなのにいつの間にか始まった朝の儀式。
けど、今日はそれで終わらなかった。
寝ていたアスランにキスをする為、ベッドに腰掛け片手をアスランの脇についたのだが、その手を掴まれた所為でその場を離れる事が出来ない。

「アスラン?」

「キスだけ?」

「え?」

「・・・言葉も欲しいな。」

他人には見せない、強請るようなアスランの笑顔に弱い事を知っていてそんな顔を見せる。

「オハヨウ・・・」

「違うよ。」

苦笑しながら、でもキッパリ否定される。
じゃぁ何?と思いながらアスランの顔をじっと見ていると、その口元が何か形作っていた。

「・・・・・」

声にならないけれど、その口の動きを見ていたら彼が何を求めているか分かった。
プロポーズされて、こうして一緒にいる事が自然になって・・・結構アスランって甘えん坊な所があるんだって思った。
今日のこれもそのひとつ。

あたしはアスランの顔の横に手をつくと、その耳元に顔を近づけ囁いた。





――― あ・い・し・て・る



抱きしめるだけでも
     キスだけでも
         体を重ねるだけでも・・・足りない


あなたの
       私の

想いがなければ、何もかもが


――― 物足りない。





BACK



3. キスだけじゃ物足りない

短い上、激甘(汗)
婚約者になって数日経った日の朝、って感じでしょうか?
本当にSEEDのアスランと同一人物なのか、ちょっと疑いたくなって来ました(笑)
まぁ・・・色々あったんだよね、SEEDとDESTINYの間で(おいっ)
コメント、書けるかなこの先・・・(遠い目)