綺麗に着飾った八戒とは悟浄を残してお城の王子様の花嫁選びのパーティに出かけていきました。
一人残った悟浄は鬼の居ぬ間に隠していたハイライトを庭先でふかしながら、冷蔵庫から失敬した缶ビールを飲んでいました。
「あ〜あ、今頃綺麗なおねェちゃんに囲まれて、美味い酒でも飲んでんだろうなぁ。」
そりゃそうでしょう。国中の女性が王子様のお后候補に上がってるんだから。
でもって王子様、って言うくらいだからお金もあって・・・ご馳走もどーんってあるんだよ。
「・・・そっちのが良かったな。」
そんなに大きなため息ついてもダメ。
くじ引きで決めたんだから諦めてよ。
「はぁ〜・・・」
お城にいけない事を悔やんでいる悟浄の前に・・・
「悔やんでんのは配役!」
ひとつの小さな光がやってきました。
「あ?」
するとその光が見る間に人型に代わり、暗い庭にひとつの人影を落としました。
「じゃっじゃーん!魔法使いだぜ!」
・・・悟空、何だかランプの精みたいな登場だね。
「あれ?俺間違った?」
ううん、間違ってないけど・・・ま、いっか話進めるね。
「あははははっシンデレラ似合わねぇ!!」
「うっせーっ!てめぇだって布切れかぶっただけだろうが!」
・・・当たってるだけに何も言えないや。
「シンデレラよりマシだろ!だってスカートだぜ?」
「代わってやろうか?あぁ?」
「やだね!」
あのぉ・・・お話、進めてもいい?
「あ、ごめん!」
「・・・も、好きにして。」
じゃぁ好きにする♪
毎日頑張っている悟浄が哀れに思った魔法使い悟空は、悟浄をお城のパーティに連れて行くため用意を整えました。
カボチャの馬車に、ねずみの従者・・・を揃えたかったんだけど、人数の都合上ジープを運転して自力でお城へ行ってください。
「魔法使い関係ねェじゃん!」
「関係あるって!ほら、これ持ってきた!」
自慢げに魔法使いが取り出したのは・・・うわぁっでっかいガラスの靴
「・・・履けってか?」
「それなきゃダメなんだろ?」
物語の大切なアイテムです。
悟浄、諦めて履いて下さい。
「うっわぁ・・・悟浄ちょっと泣けてきた。」
悟浄、ファイト!
「大丈夫だって、それ以上気持ち悪くなんないから。」
「てめェが言うな!!」
「きゅ〜っ!」
ジープが早くしろって言ってるみたいだよ。
用意が出来たらジープに乗って、お城に向かってね!
「あーもー・・・」
「あ、俺も行く!この後、もう出番ないからメシ食いに行く!!」
「・・・いいな、お前。気楽で。」
いい加減諦めが悪いなぁ悟浄も・・・ほらほら、ジープが早く行きたいってライト点滅させてるよ。
「・・・はぁ、行きたくねェ。」
「出発、しんこーっ!」
「キュー!」
「オレの意思無視かよっ!!」
こうしてシンデレラ悟浄は、魔法使いの悟空と一緒にジープに乗ってお城に向かいました。