さてさて、悟浄が来る前にお城の様子を覗いて見ましょう。

先に到着している八戒?






「はい。」



会場の様子は如何ですか?



「そうですねぇ・・・僕らと同年代かそれ以下の年齢のお嬢さん方が沢山いますね。ここに悟浄・・・じゃなくてシンデレラが来るとするとかなり目立つと思います。」



・・・ちょっと怖いね。



「あははは、まぁ僕もちょっと居づらいですよ。」



でも八戒のその格好、凄く似合ってて綺麗だよ?



には負けます。」



・・・ナ、ナレーションをからかわないで下さい。



「本当の事ですから、からかってなんていませんよ。」



はっ話を変えます!王子様はもう来ましたか?



「いいえ、まだ来てませんね。多分裏で煙草でも吸ってるんじゃないでしょうか。」



ありえる・・・どうしよう、王子様出てこないと話進まないよね。



「簡単に出てきてもらう方法がありますけど・・・」



え?どう言う事?



「・・・がここに来れば、出てきますよ。」



は?



「折角も可愛らしい装いをしてるんですから、こちらにいらっしゃいませんか?」



あ、でも・・・ナレーション・・・



「ここでも出来ますよ。」



うぅ・・・



「僕のエスコートじゃ不満ですか?」

「不満じゃない!!」

「・・・やっぱりそのドレス姿、とても良く似合ってますよ。」

「あ、ありがとう・・・」

「僕もこんな格好じゃなかったら一曲踊って貰いたいくらいです。」

「あっあたしと?」

「おい、何してる。」

突然背後から低い声が聞こえて振り向くと、そこには眉間に皺を寄せたこの国の王子、三蔵が不機嫌そうな顔で立っていました。

「ほら、出てきたでしょう。」

「本当だ・・・」

「何で俺がこんな馬鹿な事に付き合わなきゃならん。」



それはお祭り企画だからです。



「「「・・・」」」

「・・・今の声は、誰?」

「多分、天の声・・・じゃないですか?」

「作者だろ。」



ピンポーン大当たりwあたしが面白おかしく思いついたのを書いてるだけw
ささ、物語をサクッと進めて下さい♪




「・・・いつかぶっ殺す。」

あはは、ふざけてますねぇ・・・」

「あ、あ〜そろそろシンデレラが来るよ?三蔵・・・じゃなくて、王子様。」

ちょうど広間の入り口を指差すと、タイミングよく・・・若干疲れた様子の悟浄と何故か魔法使い悟空が肩にジープを乗せて登場しました。

「ったく、途中で横転すんなよ。」

「わーいメシだメシだ!」

だーっもう、とっととどっか行きやがれ!」

悟浄がクルリと振り向くと、視線の先に三蔵の姿がありました。

「「・・・」」



「見つめ合ってますね。」

「そうだね。」

・・・他の誰も寄せ付けない雰囲気のまま見つめあうこと数分、やがて視線を先に外したのは三蔵でした。

「気分が悪い、帰る。」

見つめ合った、のではなく・・・お互いの姿を見て硬直していたようです。

「そりゃこっちの台詞。」

ちょっちょっと!王子とシンデレラが離れ離れになったら話しにならないじゃん!

「もーここまで、限界!」

「こんな茶番付き合ってられるか。」

「でも終わらない限りお二人ともその格好ですよ。」

階段を降りかけた悟浄と、バルコニーに出かけた三蔵の足が止まりました。

「作者がこんな中途半端な所で終わらせるとも思いませんし・・・」

「あたし、まだナレーション途中・・・」

「三蔵、貴方まだとダンスを踊っていませんよ?踊らないままでいいんですか?」

「あぁ?」

「こんな風に可愛らしい衣装を身に着けた彼女と踊る機会なんて今後絶対ありませんよ。」

「・・・っ」

「悟浄、もうちょっとで終わるから・・・あとちょっとだけ付き合って、ね?」

慣れないドレスの裾をつまんで悟浄の側まで歩いていくと、その手をギュッと握って目を見つめた。
やがて諦めたかのような何ともいえない笑みを浮かべた悟浄がポンポンと頭を叩いてくれた。

チャンにそんな可愛いおねだりされたら断れねェわ。」

「じゃぁいいの?」

「あぁ。」

「八戒!悟浄が踊ってくれるって!!

「「何ぃ!?」」

「良かったですね。これで物語が進みます。」

にっこり笑顔の八戒とあたしの側では青筋をぴくぴくさせている二人がいた・・・けど、今はそれを見なかった事にして話を進める。


ホールの真ん中で踊る長身の二人は、周囲の視線を釘付けにしていた。

・・・それは、まぁいろんな意味で・・・



「何だっててめぇとこんな事しなきゃなんねぇんだ。」

「それはこっちの台詞だっつーの!!」

踊ると言うよりも、どちらかと言うと文句の言い合い、異種格闘技風。
合間にハリセンは飛び出す、拳は出る、足も出る、最後には拳銃まで出てくる始末。
周囲に居るほかの人達にとってもある意味目の離せない二人でした。

「・・・踊りと言うより、剣舞の方がよさそうですね。」

「そうだね。」










ホールから場所を変え、二人は何故かバルコニーで煙草をふかしていました。
踊っている時よりも、今のほうが何だか仲がよさそうです。

「・・・あと何分だ。」

「10分・・・って、何回聞きゃ気が済むんだ。」

「てめぇの醜いカッコが視界から消えるの待ってやってんだ。」

「俺だっててめェのそのエセ王子の格好笑わずいてやってんだ。感謝しやがれ!」

「ほぉ・・・12時が来る前に死ぬか。」

「やれるもんならやってみな。」



・・・空気がやばくなったので時計を早回しします。



ボーン ボーン ボーン



「っしゃ!」



12時を知らせる鐘がなり始めた瞬間、悟浄はバルコニーを越えて外へ駆け出していきました。



・・・さ、三蔵?追いかけないの。



「面倒だ。」



は、話が・・・



「適当に進めろ。」



あ〜・・・うん。
えっと慌てていた悟浄は立ち去り際にガラスの靴を片方・・・落として無いじゃん!
ちょっ悟浄、戻って戻って!!



「あ?」



ガラスの靴!片方残してかなきゃ!!



「これ置いてくとアイツが追っかけてくんだろ?冗談じゃねェ。」



でもお話進まないから、ね?



「・・・ったく、しょうがねェなぁ。しっかり受取れよ、王子サマ!!



バルコニーの下まで戻ってきた悟浄は、ガラスの靴を片方脱ぐと三蔵に向かって投げつけました。



「・・・」



ガッシャーン と言う音を立てて、壁に当たったガラスの靴は見事砕け散ってしまいました。



「・・・って受取れよ!

「誰がてめぇの汚ねぇ靴に触るか。」

「オレだって好んで渡したんじゃねェよ!」



あああっどうしよう、ガラスの靴が壊れちゃった。



、大丈夫!俺、予備持ってる!」



本当!?



「うん。一応用意して置いた方がいいって八戒に言われてさ・・・ほら。」



じゃぁそれ三蔵に渡してくれる?



「オッケー。三蔵!」

「・・・ふん。」



とにかく、こうして三蔵の心に深く印象付けられたシンデレラはガラスの靴を片方残して王子様の元を去りました。





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