ピピッピピッ…
「…37.4」
「あ〜、やっぱ?」
昨日の夜から何か喉がおかしいなぁって思ったんだよね。
掠れてるような、乾燥してるような…。
それでも咳が出ないから、電話で喋りすぎたんだって思ったけど…違ったか。
「今日は大人しく休んで下さい」
「えー、無理。4時半まで配管工事の人が来るし、夕飯作らないと…」
「倒れたいんですか?」
「倒れないよ。ちょっと熱くて、喉に違和感あるけど…」
「せめて朝食は食べて下さい」
「食べ…」
「おやつは食事じゃありません」
目の前で体温計を片付けながらため息をつく、彼を見ながら頬を膨らませる。
「…だって作るの面倒」
「ヨーグルトがあるでしょう」
「あ!」
「…忘れてたんですか」
うん、すっかり。
ヨーグルトと食べようと思って、アロエも買ったの忘れてた!
「では今用意して来ますから、それを食べて薬を飲んで休んで下さい」
「…薬、きれてる」
薬箱に入ってるのは数種類の胃薬と半分優しさで出来てる薬と痛み止め。
あ、でも熱・鼻水の薬ならある…ん〜でも今は喉にきてるし。
「ヒノエにでも買いに行かせますから、さんは休んでいて下さい」
「そんな!」
「僕らの大切な姫君が、今の時期倒れては大変ですから…」
「げほごほっ!」
「ほら、無理をしないで」
優しく背中を撫でてくれるけど、今のは弁慶の言葉にむせたのであって体調が悪いんじゃないんだけど…でも ―――
「君が眠るまで、側にいますよ」
今はちょっとだけ、弁慶の言葉に…甘えようかな