「悟浄!悟空!!すぐに一緒に来てください!!」
の体が置いてある部屋に駆け込むと、悟空と悟浄はここ最近の疲れが溜まっていたのか彼女の体のすぐ側でうたた寝をしていた。
「悟浄!悟空!!」
珍しく慌てた様子の僕の声に反応した悟浄が驚いた顔でこちらを見た。
「何だよ八戒。見つかったのか?」
「えぇ見つかりはしたんですが・・・とにかく急いで!」
「おい!八戒早くしろ!!」
扉の向こうでは三蔵がイライラした様子で胸元から昇霊銃を取り出そうとしていた。
「待って下さい悟空がまだ・・・」
「とっとと起きろ!!」
そう言うと三蔵が荒々しく扉を開け、構えていた昇霊銃を天井に向けて発砲した。
「うわぁっ!」
「早くしろ!」
そう言って先に廊下に出た三蔵の後を追うべく、僕も走り出した。
まだ何が起きているのか分からない二人は、覚めきらない頭のままとにかく僕らの後に続いた。
走りながら悟浄が僕の横に並び声を掛けてきた。
「なぁナニ焦ってんだよ?」
「・・・指輪が見つかりました。」
「えっ!それマジ!?」
「何だよだったら走る事ねェじゃん・・・」
そう言って歩みを止めようとした悟浄の腕を掴んでいっそう足を早める。
「指輪が見つかったと言っても置いてある場所が分かっただけです。まだ指輪自体は見つかっていません。」
「・・・そんなに厄介な所にあったのか?」
「ある意味厄介と言うんでしょうね。」
そうしてたどり着いた寺院の一番奥の部屋。
三蔵が懐から鍵を取り出して扉を開けた。
「・・・おいおい、マジかよ・・・」
扉の中には大量の荷物や箱、しかもその大きさは大小様々で先程の巻物の整理の仕方とはうって変わって殆ど投げ入れられているような状態だった。
「この中から昨日話していた指輪を探せ・・・ってコト?」
「そう言う事です。」
「えーっ!マジで!?」
取り敢えず全員で中に入り、手前に置いてある物から順に中身を確認していく。
大きな箱を開けるとその中にはまた小さな箱がいっぱい入っていて、その小さな箱を開けると昼間見たような指輪のケースが入っていた。
ゆっくり中を開けるが・・・中身は空。
それを元に戻して他の箱を開けるがやはり探している指輪は出てこない。
「何でこんな所に預かった物しまうんだよ!!」
「ちょうどあのお婆さんが指輪を預けに来た時、このお寺で姿見の最初の犠牲者が出た翌日だったそうです。」
「ナニ?坊さんにも乗り移ったの?」
「えぇ・・・でも乗り移っていた時間は女性よりも短く大体3時間程度だったそうです。しかし次から次へと乗り移って行ったそうで寺院は大騒ぎだったみたいですよ。」
「すっげー言いたくないんだけど、まさかその騒ぎであのバアチャン持ってきた指輪・・・ないがしろにされたとか言わねェよナ?」
「・・・悪い事だけはカンが働くな、てめぇは。」
「当たりかよ!」
「もうそんなのいいから早く見つけようよ!もう日が沈んじゃうよ!!」
先程まで西日が部屋の中に入ってきていたのに今はもう殆ど光が入ってこない。
悟浄が近くのスイッチを押して部屋の電気をつけ僕らは再び作業を開始した。
日が沈めば3度目の夜が来る
荊藍さんに言われた・・・期限の夜が・・・
なんとしてもこの中から指輪を見つけなければ・・・。
あ、短い。物凄く、短い。今迄で1番・・・短い。(連続で言わなくても(苦笑))
と言うのも本当はこの部分書くの止めようと思ってたんですよ。
でもこの前の話(三蔵と八戒が書物を調べる話)とこの後の話を続けると、ちょっと急かなぁと思って追加で書きました。
ただ単に皆が慌てて指輪を探すシーンが書きたかっただけと言うコトもある(笑)
はっきり言って、もう殆ど終わりです。えぇ本当に。
ほら、だってもう14話ですもの♪
ちょっと最後の方が駆け足で申し訳ないですが、後もう少しお付き合い下さいね?
助けの手はもうすぐそこまで見えていますから・・・。