「ねぇ二人とも!朝だよ!」
一人早く目を覚ましたキラは、今だベッドで眠っている二人の親友に声を掛けた。
「「んー・・・もうちょっと・・・」」
返ってくる言葉は一つ、声は二つ。
「アスラーン、〜・・・」
がっくり肩を落としながら、ふと枕元の時計を見てキラは大声を上げた。
「ええぇぇー!!もうこんな時間!?」
しかしキラの悲痛な叫びも幸せそうに眠っている二人には届かず、ピクリとも動かない。
キラはベッドに乗ってアスランの肩を揺すりながら何度も名前を呼んだが、名前を呼ばれる本人は煩そうに眉を寄せるだけでキラの手を振り払い背中を向けて再び眠り始めた。
ため息をついたキラは次に隣で眠っているを起こそうとしたが、あまりに気持ち良さそうに眠っている様子に一瞬伸ばした手を止めてしまった。
しかし時計の針が進む音がキラの心を急がせ、結局アスランと同じように肩を揺すりながら名前を呼んだ。
こちらはアスランと違って返事を返したり頷いたりと言う反応はあるが、やはり目を開けると言う行為には程遠い。
「もぉ〜ほんっとうに遅刻しちゃうよ?アスラン!!!」
枕元の時計をがしっと掴んで、現在時刻に目覚ましを設定するとジリリリリ・・・と言う鐘の音が煩いほど部屋中に響いた。
「ほら!!!」
時計をの耳元で鳴らすと先程まで閉じられていた瞼が開き、深い海のような瞳がキラを映し出した。
「キ・・・ラ?」
「おはよう、。朝だよ?」
「ん・・・」
「そろそろ起きないと学校遅刻しちゃうよ。」
「も・・・そんな、時間?」
目を擦りながらむくりと起き上がったの手にキラは目覚まし時計を渡して、その針が示している時間を教えた。
「もうすぐ8時だよ。」
「・・・あれぇ?」
「あれぇ?・・・じゃないよ!僕がどれだけ苦労したか・・・ってこの話はまた帰ってからね。僕日直だから先に出るけど、はアスラン起こして、戸締りしてちゃんと来るんだよ?じゃぁ・・・行って来ます!」
キラは机に置いてあった荷物を手に取ると、ベッドに座っているに手を振りながらバタバタと部屋を飛び出して行った。
後に残されたは、取り敢えずキラに言われた事を実行するべく、すぐ隣で眠っているアスランの肩をトントンと叩いて声を掛けた。
「アスラ〜ン・・・8時、過ぎてるよぉ。」
「ん・・・」
キラの声には全くと言っていいほど反応しなかったアスランだが、幼い頃から面倒を見ているの声には即座に反応しゆっくり目を開けた。
「あのね、遅刻・・・しちゃうよ?」
そう言うも同じ立場なのだが、まだそれに気付くほど頭がはっきりしていないらしい。
それでも学校へ行かなければ行けないと言う意識だけはあるらしく、三人で眠っていたダブルベッドから降りて着替えようとしたが、その手をアスランに掴まれた。
「アスラン?」
「・・・まだいいじゃないか。」
「え?」
そう言うとアスランはの手を掴んでいた腕に力をいれて、小さなの体を再びベッドへと沈めた。
再びベッドへと戻ってしまったは倒れたままの体勢でボーッと天井を眺めていると、再び眠りにつかせようとする優しい声が耳に届いた。
「今朝は・・・ゆっくりしようよ。」
「でもアスラン・・・学校・・・」
「大丈夫・・・今日は、午後から・・・だから・・・」
ポツリポツリと単語を告げるアスランの声を聞いて、は再び眠りにつく事を決めた。
キラがいなくなったベッドは二人で眠るには十分な広さがあって、先程まで自分が寝ていた所まで戻る力が無かったはベッドの端に体を横たえ目を伏せた。
「・・・」
「なぁに?」
睡魔に襲われながらもアスランの呼び声に反応したは、重い瞼をゆっくり開いて少し離れて眠るアスランの方を見た。
すると寝ぼけ眼のアスランが、掛け布団を少し上に持ち上げて手招きしている様子が目に入る。
「アスラン?」
「ほら、もっと近寄って・・・」
アスランに笑顔でそう言われたら動かないわけには行かない。
は布団の中をもぞもぞ移動すると、アスランの腕の中にその小さな体をそっと横たえた。
「・・・おやすみ、」
「・・・おやすみ、アスラン」
そうして二人同時に目を閉じれば、すぐに穏やかな寝息が聞こえ始める。
それから30分後。
今日は午前中休校だと言う事に気付いたキラが部屋に戻った時には、窓から差し込む日差しを受けて、気持ち良さそうに眠る二人の親友の姿。
をしっかり腕に抱きしめて眠るアスラン
アスランに守られるように抱きしめられて眠る
残されたキラは苦笑しながらもう一度眠りにつくべく、二人を起こさないようにベッドに入るとアスランと同じようにを背中から抱きしめるようにして目を閉じた。
元ネタは何だかお分かりですよね(苦笑)
先日私を思いっきり赤面させてくれたラジ種での石田さん&保志さんのモーニングコールですwww
モーニングコールとして使われた台詞を折り込みながら、勝手に暴走させて頂きました!
三人が同じ布団で寝ていると言うキラ(保志さん)のポロリ発言があったのでそれも使用(笑)
ちなみにこの話、オマケとしてアスランsideとキラsideのお話があります。
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